給食の委託先・委託元との関係について工夫や悩みを聞いてみた

トップ

COLUMN
- Tweet

給食・大量調理

2024.12.10

給食現場の困りごとを聞いてみた

給食の委託先・委託元との関係について工夫や悩みを聞いてみた

給食関係栄養士委託会社
posted by高安ちえ

お気に入り

給食を提供する施設で勤務している栄養士にとって、給食の委託先または受託先との関係に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。給食の現場において日々業務をされているエンドーサー（※）の皆さんに給食の委託先・委託元との関係における工夫やお悩みについてお話をお伺いしました。

※エンドーサーとは…学校や保育園、病院、高齢者施設、事業所の5業態で働いている管理栄養士の方々のことで、Eatreatから定期的にお困りごとなどのヒアリングや情報収集や販売促進の協力依頼を行っている。

お話を伺ったエンドーサーの皆さんについて

エンドーサーの皆さんの詳しい勤務年数や給食の運営方式などの情報は下記の表のとおりです。こちらを参考にしながら本コラムを読んでみてください。

委託先・委託元との関係におけるお悩みや工夫、心がけていること

エンドーサーの皆さんに、委託先・委託元との現在の関係値や感じていることを伺った内容をまとめました。

◎保育園
・直営のため特に関係性に困っていることはない
・保育士さんとも密にコミュニケーションをとり、情報をもらうようにしている

◎学校
・チーフとはとても良好な関係を築けている。献立に関しても作り方など迷うことがあれば気軽にチーフに相談できる関係性
・現場ともこまめにコミュニケーションをとっているおかげか、全員で良い給食を作ろうという雰囲気ができている
・次の日のアレルギー確認や業務上の申し送りを行う栄養士と調理員さんとの交換日記のようなものがある

◎病院
・今の病院では委託先との関係は良好だが、以前の職場では委託先に対して要望を出すと非難されることもあり苦労した
・調理員さんたちの労働環境を良くすること、社員さんだけでなくパートさんへも声掛けを行うことを意識している
・現場のメンバーに直接言いにくいことはマネージャーを通すようにしている

◎高齢者施設
・委託先との関係はまあまあだと思う
・お互いに手が空く時間にずれがあったり、私がいる事務所と厨房に少し距離があるためリアルタイムでコミュニケーションがとりにくい現状がある
・現場で働く栄養士さんは若い方が多いからか、依頼や交渉等を行う際に少し怖がられているかもと感じることもある
・可能な限り現場の栄養士さんの手が空いている時間に顔を出して直接話したり、チャットやメモなどで連絡事項を共有したりして工夫している

◎事業所
・委託元の担当者が食の業界に詳しくないためコミュニケーションが難しいと感じることがある
・献立に関してやり取りをしている方と実際に食べている方が異なったり、喫食者の入れ替わりが多い場所なので要望をメニューに反映することが難しい
・委託元からの要望については可能な限り断らないようにしている

委託先・委託元それぞれの立場の意見

それぞれの立場から委託先・委託元に希望することについて伺ったところ、以下の意見が出てきました。

◎委託先→委託元へ感じたこと
・施設内の面会中止や、移動、退院など利用者の状況をもっと共有してもらいたい
・食べたいメニューがあったら共有してもらえたら自分の幅も広がるしやりがいも感じる

◎委託元→委託先へ感じたこと
・委託先とは一緒のチームで美味しいものを作ろうと思ってやってきたが、施設内の状況の共有はあまり意識していなかったので今後もっと共有していきたい

まとめ

エンドーサーの皆さんからのお話をお伺いして、委託先・委託元どちらの立場であっても、コミュニケーションに苦労していることがわかりました。改めて、給食の現場では喫食者にとってより良い給食を提供するという目的を共通認識とし、その目標を達成するためにお互いの立場で最善をつくすことが最も大切ということを感じました。