近年、企業が従業員の健康づくりに取り組む「健康経営」への関心が高まっています。その推進を担う資格として注目されているのが「健康経営アドバイザー」です。本コラムでは、資格の概要や管理栄養士・栄養士が取得するメリット、活かし方についてご紹介します。
健康経営アドバイザーとは
健康経営アドバイザーは、東京商工会議所が実施する研修プログラムを受講し、効果測定で一定の基準を満たすことで取得できる資格です。企業に対して健康経営の基本的な考え方や推進方法をわかりやすく説明し、導入を後押しできる人材の育成を目的としています。
主な対象は、健康経営に関心のある企業の管理職や総務・人事担当者などですが、近年では健康支援の最前線で活動する管理栄養士・栄養士の間でも注目が高まっています。企業と従業員の健康をつなぐ橋渡し役として、専門職の新たな活躍フィールドを広げる資格といえるでしょう。
健康経営エキスパートアドバイザーとは
健康経営エキスパートアドバイザーは、健康経営アドバイザーの上位資格に位置づけられる資格です。制度設計のサポートや課題分析、具体的施策の立案など、企業の健康経営を伴走支援する役割が求められるため、一定の専門性と実務経験が前提となります。
受験資格は、申込時点で健康経営アドバイザー認定を受けていることに加え、以下のいずれかを満たすことと定められています。
①所定の有資格者であること
②関連分野で概ね1年以上の実務経験を有すること
①の有資格者には、医師、保健師、看護師、そして管理栄養士などが含まれます。なお、現時点(2026年2月)では栄養士は対象に含まれていないため、受験を検討する際には最新の要綱を確認しましょう。
管理栄養士・栄養士が取得するメリット
健康経営アドバイザー資格を取得することで、「個人に対して栄養指導を行う専門職」から「企業全体の健康課題を支援できる専門職」へと役割を広げることができます。企業向けの研修や健康施策の企画に関わる際にも、資格を保有していることが信頼性の向上につながり、活動の幅をさらに広げられるかもしれません。
また、管理栄養士・栄養士が持つ専門知識に加え、組織運営や経営の視点を踏まえた健康施策の考え方を体系的に学べる点も大きなメリットです。個人支援にとどまらず、組織全体を見据えた提案力を養えることは、今後のキャリア形成において大きな強みとなります。
企業支援での資格の活かし方
健康経営アドバイザーは、企業に対して健康経営の必要性をわかりやすく伝え、健康課題を整理・可視化する役割を担います。そのうえで、課題に応じた健康施策の提案や実施支援を行うことが主な活動です。
健康経営アドバイザーの資格を保有する管理栄養士・栄養士であれば、
・食事や運動、睡眠などをテーマとした健康セミナーの企画
・社員食堂や売店におけるメニュー改善の提案
・特定保健指導や健康相談と連動した組織的支援
・健康経営優良法人認定取得に向けたサポート
などの場面で専門性を活かすことができるでしょう。
まとめ
健康経営アドバイザーは、企業と従業員の健康をつなぐ役割を担う資格です。管理栄養士・栄養士にとっては、専門性を組織単位の健康づくりへと広げる視点を得られる機会にもなります。個人支援から組織支援へと活動の幅を広げたいと考える方にとって、本資格はキャリアアップの選択肢の一つとなるのではないでしょうか。
参考文献
・東京商工会議所:「健康経営アドバイザーとは」、東京商工会議所、https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/adviser/、(閲覧日:2026年2月25日)
・東京商工会議所:「健康経営エキスパートアドバイザー」、東京商工会議所、https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/exadviser/、(閲覧日:2026年2月25日)
・株式会社日本経済新聞:ACTION!健康経営、https://kenko-keiei.jp/report/、(閲覧日:2026年2月27日)
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