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- 給食・大量調理
- 2024.11.19
業態別!給与栄養目標量とギャップが出やすい栄養素と補い方
給食施設での献立作成において、対象者ごとに設定されている給与栄養目標量を充足させることはとても重要です。しかし、実際にはなかなか思うように摂取量が確保できない栄養素があるのが現状ではないでしょうか。今回は実際に給食現場で働くエンドーサー(※)の皆さんに不足しやすい栄養素と、それらを補うための工夫についてお話しを伺いました。
※エンドーサーとは…学校や保育園、病院、高齢者施設、事業所の5業態で働いている管理栄養士の方々のことで、Eatreatから定期的にお困りごとなどのヒアリングや情報収集や販売促進の協力依頼を行っている。
不足しやすい栄養素と現状の対応や悩みはどんなもの?
◎学校
不足しやすい栄養素:食物繊維、カルシウム、鉄・栄養素の充足率まで監査等で詳しく聞かれることはないが、栄養価計算ソフトを使用し1か月の献立で充足率を確認し可能な限り給与栄養目標量に近づけるようにしている
◎保育園
不足しやすい栄養素:カルシウム、鉄・栄養素の充足率まで指摘されることはないが、可能な限り給与栄養目標量に近づけるようにしている
◎病院
不足しやすい栄養素:カルシウム、鉄、ビタミンB1、食物繊維・栄養素の充足率に関して監査等で指摘を受けたことはないが、給与栄養目標量に対する充足率を確認するようにしている
◎高齢者施設
不足しやすい栄養素:食物繊維、カルシウム・不足について給食委託会社にも相談しているが、現在の予算では対応が難しい
・食形態に関する課題などもあり対応しきれていない
・年2回保健所に食事摂取状況の報告をしているが、栄養素の不足について指摘されたことはない
◎事業所
・事業所給食の立ち位置が飲食店に近いため、給与栄養目標量に対する充足率に関しての指摘はない
・献立作成時に細かく栄養価計算をしていないのが現状
・健康面から食物繊維を米飯に添加し提供した方が良いのではという意見があり施設側に提案したが、肉体労働の方が多い事業所でヘルシー系メニューに抵抗感があったため実施しないことになったことがある
現場で実践している補うための工夫
◎学校
・食物繊維:ご飯の中に麦を入れたり芋類を使用することで摂取量を増やすようにしている
・カルシウム:牛乳だけでは足りないので脱脂粉乳を使用したことがあるが、工程上難しい
・鉄:充足させるためにレバーを使用したいが、予算の関係で難しい
◎保育園
・カルシウム:カルシウムが強化されたのむヨーグルトを導入している
・鉄:以前は赤身肉をよく使っていたが、価格高騰により大豆ミートに変更。それ以外にかぶの葉や鉄が多く含まれているウエハースやのむヨーグルトを導入している。他園ではおやつにレバーの唐揚げを提供している所もあり、今後は国産レバーペーストの導入も検討中
◎病院
・カルシウム:朝食に牛乳200ccをつけることで対応
・鉄、ビタミンB1:栄養強化できる商品を米に混ぜて炊飯することで対応
・食物繊維:味噌汁に食物繊維が強化できる商品を入れて対応
高齢者施設では不足しやすい栄養素に対して具体的な対策は難しく、事業所では実施していないとのことです。ぜひ、管理栄養士・栄養士の方で「こんな対策をしているよ!」「不足しやすい栄養素を補うためにこんな工夫をしている」というものがあれば、コメント欄で教えていただけたら幸いです。
まとめ
多くの業態において、食物繊維、カルシウム、鉄は不足しやすい栄養素だということがわかりました。一般的な食品だけでは給与栄養目標量を充足させることが難しいのが現状で、可能な限り栄養素が充足するように献立を作成している方がほとんどでした。使用する食材を工夫しながら、炊飯時に添加することで栄養素を補うことができるものや、不足しやすい栄養素が強化されている既製品を上手に献立に組み込んでいくことが、一つの解決策になるのではないかと感じます。いずれにしてもコストがかかるため、直近の食材費高騰の問題とあわせて考えていく必要がありそうです。
以前、エンドーサーの皆さんに食材費高騰についてお伺いした記事、「給食における価格高騰の現状とコストを抑える工夫」もぜひ読んでいただけたら嬉しいです。
関連コラム
・給食の献立・メニュー作成の工夫や悩みを聞いてみた
・女性は男性よりイライラしやすい~鉄不足の影響~
みんなのコメント( 1 )
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- Eatreat 編集部
- 10時間前
給食現場でよくあるお困りごとをエンドーサーの皆さんにお話を聞いてみたコラムの連載。第3回は献立を作成する際にぶち当たる壁の一つ、給与栄養目標量とのギャップが出やすい栄養素について、イートリスタの高安さんにまとめていただきました。
"給食現場の困りごとを聞いてみた"のバックナンバー
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WRITER
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高安 ちえ
東京都内で飲食店を併設した認定栄養ケアステーションを運営しています。食や栄養に携わる栄養士自身が料理をし、提供するということが大切だと思い飲食店の経営を始めました。地域の方々が気軽に集まることができる場所づくりを目指しています。
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