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- 栄養の知識・食育
- 2017.03.21
腸内フローラを改善する食生活とは?②
前回はこちら 腸内フローラを改善する食生活とは?①
腸内環境の好循環を生み出す発酵食品
発酵食品に含まれる発酵菌によってつくられた乳酸や酢酸などの酸は、大腸を酸性に保ち、腸内にあるビフィズス菌や乳酸菌を増加させて、有害菌の増殖を抑制します。さらに、増加したビフィズス菌がつくる短鎖脂肪酸と乳酸菌がつくる乳酸は、大腸内を酸性に維持し、腸内環境が改善するという好循環が生まれます。
乳酸をつくる乳酸菌にも、乳に含まれる乳糖をおもなエサとする動物性乳酸菌と野菜や大豆、米などに含まれるブドウ糖・果糖・ショ糖・麦芽糖などをエサにする植物性乳酸菌があります。動物性乳酸菌は約20種ほどですが、植物性乳酸菌はその約10倍はあるともいわれています。動物性乳酸菌と比べて植物性乳酸菌は、より過酷な状況で繁殖しているようで、経口投与した場合に、胃酸に対する抵抗性などがあるとされています。
多くの発酵食品がスーパーなどにありますが、購入時は身体に悪影響のある添加物などを使用しているものは避けた方がいいでしょう。私たちは日常生活の中で、いろいろな薬の服用を含め、多くの化学薬品を体内に摂取しています。自覚しないうちに、食べ物と一緒にさまざまな化学物質も摂取していることを知るのも大切です。
代表的な発酵食品
ぬか漬け・みそ・納豆・甘酒・しょうゆ・酢・塩辛・キムチ・かつお節・酒粕・塩麹・チーズ・ヨーグルト
よく、ヨーグルトは毎日食べた方がいいといいます。その理由は、ヨーグルトの菌は身体の中に定住しないからといわれています。食べ続けることで、腸内に一定の菌が保たれるといったところでしょうか。また、加熱したヨーグルトは、乳酸菌は死んでしまうために、食べても意味が無いという話も聞きますが、乳酸はそのまま残っていますので、腸内を酸性に保つことには役立ちます。
乳酸菌を活性化するオリゴ糖
オリゴ糖は胃や小腸など、消化器系の上部では消化吸収されにくく、大腸に届きやすいため、乳酸菌のエサになり、活性を高めてくれます。
オリゴ糖を含む食品
大豆オリゴ糖:大豆・豆腐・豆乳・納豆など
イソマルトオリゴ糖:しょうゆ・みそ・はちみつ・みりんなど
※はちみつは血糖上昇のブドウ糖も多いため、少量にしましょう。
ガラクトオリゴ糖:キャベツ・とうもろこし・ヨーグルト・牛乳など
※とうもろこしにもブドウ糖が多く含まれています。食べすぎないようにしましょう。
フラクトオリゴ糖:ごぼう・アスパラガス・バナナ・たまねぎなど
オリゴ糖以外にも、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコールも腸内細菌のエサになるといわれています。
糖アルコールを含む食品
キシリトール:いちご・ほうれん草・たまねぎ・にんじんなど
ソルビトール:りんご・なしなど
マンニトール:昆布など
人工甘味料については、腸内フローラとの関係について、はっきりとしていません。また、人工甘味料を使い過ぎると耐糖能異常が現れたという報告もあります。そのため、大量摂取は控えた方がいいでしょう。できるだけ食材からオリゴ糖を摂取することをおすすめします。
健康的な腸内フローラのために絶対的なものはなく、人それぞれの生活環境や食習慣によって異なります。ある食べ物が健康にいいとテレビで紹介されると、次の日のスーパーで売り切れてしまうということがよくありますが、あわてて、たくさん食べても効果はあまり期待できません。過度な期待にる摂りすぎにも注意が必要です。落ち着いて自分の食生活を見直し、少しずつ腸内フローラのバランスを整えていくこと、そして、食べる量を減らすだけではなく、偏った食生活を控えることが、遠回りのように思えて、一番の近道かと思います。
参考文献
おなかの調子がよくなる本─自分でできる腸内フローラの改善法─ 福田真嗣
ベストセラーズ 2016
消化管(おなか)は泣いています─腸内フローラが体を変える、脳を活かす─ 内藤裕二
ダイヤモンド社 2016
腸内フローラ10の真実 NHKスペシャル取材班 主婦と生活社 2015
腸内フローラ免疫力アップレシピ 藤田紘一郎 扶桑社 2015
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みんなのコメント( 1 )
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- ID: 361
- 2755日前
ヨーグルト毎日食べています!他の発酵食品も積極的に食べようと思いました。
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WRITER
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小山 幸子
現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等。 『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。 メカオンチのあがり症。 高校卒業後、会社員として8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。 教員より年上の生徒だった経験を持つ異色の栄養士。 毎日書道会 会友 (雅号:小山 桃花)
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