COLUMN

保健指導の初回面談で「食事の目標ばかりになってしまい、運動目標の立案が苦手」「対象者に対して体を動かすことの動機づけがうまくいかない」といったことはありませんか。
今回は、運動目標を立てる上で知っておきたい身体活動・運動の目安や、身体を動かすメリットをご紹介します。

押さえておきたい身体活動・運動の目安

まずは、運動目標を立案するための知識として、身体活動・運動の目安を押さえておきましょう。

◾️身体活動・運動の定義
身体活動とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する、骨格筋の収縮を伴う全ての活動のことを指します。身体活動には、生活活動と運動に分けられます。
また、デスクワークや、座ったり寝転んだ状態でテレビ・スマートフォンを見ることなど、覚醒中の座位や臥位の行動は、座位行動とされます。

※厚生労働省:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023を元に作成

◾️身体活動・運動の推奨事項一覧
健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023では、以下のように示されています。

・全体の方向性:個人差を踏まえ、強度や量を調節し、可能なものから取り組む。今よりも少しでも多く体を動かす。

※厚生労働省:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023を元に作成

・筋力トレーニング:成人、高齢者ともに、運動に含めてもよい。運動内容は、マシンなどを使用するウエイトトレーニングだけでなく、自重で行う腕立て伏せなどの運動も含まれる。

・座位行動:座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する(立位困難な人も、じっとしている時間が長くなりすぎないよう、少しでも身体を動かす)

身体を動かすメリットは?

運動したほうがよいと分かっていても、なかなか行動に移せない、時間がないという対象者の方も多いはずです。目標立案の前に、改めて身体を動かすことの大切さに気づいてもらうことが、動機づけにつながります。

生活習慣病の発症や死亡リスクは、1日10分身体活動を増やすことで、約3%低下すると推測されています。また30分ごとに立つなど、座りっぱなしを防ぐことは、食後血糖や中性脂肪、インスリン抵抗性などの心血管代謝疾患のリスク低下に重要であることも報告されています。

その他、仕事のパフォーマンスの向上、メンタルヘルスの改善、記憶力の向上などのメリットも報告されています。これらを対象者と共有し、動機づけにつなげてみるのはいかがでしょうか。

安全に行うために

誤ったやり方で身体を動かすと思わぬ事故やケガにつながることがあるため、安全に運動を行うよう声かけが必要です。

<安全に運動を行うために>
・身体を動かす時間や強度は、少しずつ増やしていく
・体調が悪い時は、無理をしない
・病気や痛みがある場合は、医師などの専門家に相談する

「病気はない」と自己申告があっても、本人が知らないだけの場合も考えられます。そのため、普段から健康管理を行い、自身の身体の状態を知っておくこと、また必要に応じて通院することなどで、安心・安全に運動を進めてもらうことが重要です。

まとめ

運動で大切なのは継続することです。対象者の方の就業状況や家族構成なども考慮できると、より身近で具体的な行動目標が提案しやすくなります。次回は現場で使える具体例を紹介します。



参考文献
・厚生労働省:「身体活動・運動の推進」、厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html(閲覧日:2026年4月11日)
・厚生労働省:「身体活動の促進」、健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~、 https://kennet.mhlw.go.jp/tools/tools_physical/index(閲覧日:2026年4月11日)



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WRITER

管理栄養士

長谷川 未紗子

管理栄養士として保健指導に従事し、疾病予防の観点から生活習慣のお悩みをお伺いし、健康相談をしてきました。 専門的になりがちな話をどれだけ分かりやすく、納得できるよう伝えられるかが重要だと実感しています。 これまで相談業務とともに、指導用の資料やセミナー資料等作成も行ってきました。 現在は、この経験を活かしながら、食と健康を分かりやすく伝えるサポートも行っています。 ◎使用ソフト:PowerPoint・Canva・Photoshop

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