繰り返される緊急事態宣言など、先が見えない状況の中、健康を気遣う余裕がなかった方も多いのではないでしょうか。連載最終回は、コロナの流行状況によって仕事の環境が左右されても取り組める体作りについて考えてみましょう。
運動不足を感じている人は約8割
令和2年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の結果では、週1日以上運動・スポーツをする者の割合は、20歳以上男女の平均で59.9%と、昨年の53.6%から増加しました。昨年と比べて運動・スポーツを実施する頻度が増加した理由としては「コロナウィルス感染症対策による日常生活の変化」と回答した方が36.4%と最も高く、次に「仕事が忙しくなくなったから」でした。コロナ禍での変化が運動実施に結び付いたケースが多いようです。しかしその一方、運動不足を「感じる」と回答した割合は79.6%もあり、年代別では、働き盛りの30代~50代で運動不足を感じる方の割合が高い傾向にありました。
さて、あなたはどちらに当てはまりますか?
何はともあれ現状把握から
そもそも、あなたの活動量は適正でしょうか。テレワーク中の体作りを行うためには、テレワーク前とテレワーク中の活動量の増減を把握することが大切です。歩数計や活動量計、なければスマホの歩数アプリなどを使って活動量を確認してみましょう。歩数計などがない場合は、1日の生活を細かく書き出してみてください。テレワーク前とテレワーク中を比べて、活動量が不足しないように生活することが必要です。
また、テレワーク前から活動量の少なかった人は、生活スタイルが定着してしまう前に、活動量を増やす「工夫」を毎日の生活に取り入れてみましょう。
仕事時間とプライベート時間を区別する
運動習慣があったのに運動ができなくなった人は、生活の変化に合わせて改めて運動時間を確保することが大事です。多くの場合、在宅勤務により仕事とプライベートの時間をうまく区別できずにいることが問題と考えられ、仕事とプライベートの切り替えが重要であると言えるでしょう。切り替えが難しい場合は、あらかじめ仕事とプライベートの時間を明確に区切り、出勤時間と退社時間、休憩時間などにまずは一度部屋の外に出る、または散歩や買い物に出かけるなどして気持ちを切り替えましょう。
簡単にできる椅子スクワットがおススメ
先ほどの世論調査では、運動・スポーツの実施を阻害する理由として「仕事や家事が忙しいから」「特に理由はない」「面倒くさいから」といった回答がありました。ですからまずは、時間のかからない簡単な運動を始めてみるのがよいでしょう。簡単な運動のひとつに散歩やジョギングがありますが、運動習慣のない方の場合、屋外での運動は天候に左右されやすく、雨が続いたりするといつの間にか中断してしまった経験はないでしょうか。
おススメなのは、いつでもどこでも簡単にできるスクワットです。スクワットは、太ももの前面、裏側、お尻などをバランスよく鍛えることができます。ただし、膝や腰に負担をかけないように正しい姿勢で行わなくてはなりません。そこで、椅子を使う椅子スクワットがおススメです。椅子を使うことで正しい姿勢を保ちやすく、意識付けもしやすくなります。また、運動をする時間を椅子から立ち上がる時と決めておくと、食事の後、休憩前など、椅子から立ち上がるごとにトレーニングを実施できます。椅子スクワットは、立ち上がる際に10回を目安に行うとよいでしょう。慣れるまでは、少ない回数から始めください。運動は、継続することが大切です。日常生活の中に運動を意識して取り入れ、体作りを行いましょう。
参考文献
・スポーツ庁「令和元年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の概要」
https://www.mext.go.jp/sports/content/20200225-spt_kensport01-000005136-1.pdf
・スポーツ庁「令和2年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の概要」
https://www.mext.go.jp/sports/content/210225-ken_sport01-000012987.pdf
(閲覧日:2021年5月10日)
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