テレワークを行うことで、健康的な体重コントロールができた方も多くいます。テレワークで太った人と、健康的な体重コントロールができている人との違いは何だったのでしょうか。
ただ痩せれば良いのか?
実は何もしていないけれど、テレワークによって体重が減少したケースも見受けられます。多くは、テレワーク導入開始前の食事内容において改善が必要とされていたケースで、接待や飲み会が非常に多かった人に見られます。外食や飲酒などによる過剰な摂取エネルギーが減少した結果と言えるでしょう。
しかし、仕事時間の管理ができずに昼食がとれないなどが原因で、エネルギーの摂取不足となったケースもあります。このような場合の体重減少は、必要な栄養素の不足や筋肉量の低下を引き起こすため、注意が必要です。
ただ、体重が減少すればよいのではなく、健康的に体重コントロールすることが大切です。
生活リズムは食事で作る
朝食を毎日食べることは、生活リズムや心の状態を良好に保つこと、そして食事の栄養バランスと関係しているという報告があります。テレワーク導入で出勤の必要がなくなり、夜更かしなどをして生活リズムが乱れていませんか? 決まった時間に起床し、朝食をとることで、生活リズムを整えることが可能です。そのためには、昼食や夕食の時間も重要になります。昼食や夕食の時間が遅れるとおなかが空かなくなり、朝の食欲不振や欠食・ドカ食いにつながるなどの影響を及ぼします。悪いリズムを作らないためにも、規則正しく食事をとるよう心がけましょう。
昼食に何をどれだけ食べるかが問題
テレワーク太りとなった方の昼食の特徴として、量の不足や、パン、ラーメン、おにぎり、炒飯、パスタなどの炭水化物中心であることが挙げられます。昼食を簡単に済ませて量が不足すると、空腹感を感じて間食をしてしまう方も多いようです。さらに、罪悪感から少しずつちょこちょこと間食をすることで、夕食時におなかが空かず、食事の時間がずれ込んでしまうこともあるため、昼食の時間と量には注意が必要です。
また、炭水化物に偏った食事は、食後の血糖値を上昇させてしまうため、おかずを先に食べるなどして食後の血糖上昇を防ぎましょう。たんぱく質を多く含む、魚介類、大豆製品、肉類、卵などのおかずや野菜のおかずから先に食べるようにして、ごはんや麺類、パンを食べ過ぎないように工夫をしましょう。ただし、おかずの食べ過ぎも体重増加につながるため食べ過ぎには注意しましょう。
食事の時間を確保する
先ほど規則正しく食事をとる大切さについて述べましたが、実は食べている時間も重要です。食事にかける時間が10分以内という方は、食事内容にもよりますが、早食いである可能性が非常に高くなります。また、仕事をしながらのながら食べや、お箸を一度も置くことなく持ち続けたまま食事をしている方は、注意が必要です。食事にかける時間を計測して、早食いかどうかを確認してみることも大事です。
早食いを防ぐために、まずは食事をする時間を確保しましょう。ゆっくり食べるために噛み応えのある食材や、大きめに食材をカットするなどして咀嚼回数を増やしましょう。
変化に柔軟に対応する
先行きが不透明な中、テレワークを今後も継続する方、感染状況によって変動する方など、それぞれの状況によって、取り巻く環境が異なります。テレワーク太りを防ぐには、食事と運動によって、その時々の状況に見合ったエネルギー調整を行う必要があります。自身の現状を踏まえ、食事量の調整や、運動量の調整など柔軟に対応していくことが最も重要です。
参考文献
・農林水産省:「食育ってどんないいことがあるの?」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/index.html (閲覧日:2021/4/15)
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