COLUMN

前編はこちら >>管理栄養士が見た大学生の食生活の実態①

大学生の食生活の変化

食生活相談に来る学生の中には体調を崩してくる学生も少なくありません。体調不良もさまざまで、些細なケースもあれば、健康センターへの相談をすすめるケースまであります。精神的なケースも少なくありません。拒食症関係もあります。拒食症関係は高学力な女子学生にみられる傾向に思います。いろいろと考えさせられることで私自身への影響も大きい仕事だと思っています。

経済状態の反映も明らかに感じます。経済状況からか自炊をしている学生も増えました。自宅生でも変化はみられ、数年前よりお弁当を持参する学生が増えるなど年ごとに変化を感じます。

インターネットの普及も大きな変化です。ネットによる情報のおかげで知識も増えていますが、その反面で間違った知識も広がっています。最近気になるケースは炭水化物摂取を控え、たんぱく質を積極的に摂取する食事の増加です。たんぱく質摂取はどの年代でも大切ですが、摂り過ぎはマイナスになります。

現在、サプリメント、医薬品、健康食品の普及により、健康に関する情報もあふれていますが、栄養士として、また私個人としてもサプリメントなどに頼らず通常の食事で健康状態を保つのが理想だと思っています。食生活相談で関わる学生はほんのわずかですが、相談で会えるのも縁と思い、相手の気持ちに添って話をすることを心掛けています。

ここ数年、相談日の昼食を含めて食事内容を記入してもらうのですが、食べたものを覚えていない学生に必ず会います。食事に対して興味がないのでしょうか? 食べる物で身体が作られると考える立場として、とても複雑な気持ちになります。お腹が満たされれば何でもいいのでしょうか? 家庭での食事が成人後の食生活にも影響があることを実感します。

食生活相談を通して思うこと

食生活は育った家庭環境の影響が大きいと思われます。20年以上に渡る食生活相談の経験を経て、接する学生から育った家庭の様子が感じられるようになりました。大学生になるまでの家庭での食生活は、その後の食生活にも大きく関係しています。すなわち食育がいかに大切かということです。

私は21年間に渡って、大学生の栄養相談を行なっていますが、自分の子供と同年代の学生たちと、まるで母親のような気持ちで向き合う様になりました。相談終了後のアンケートに「親身になって聞いてくれてありがとうございました」、「わかりやすく話してくれてありがとうございました」、「お話して元気が出てきました」等のコメントが書かれているとホッとします。食生活相談で会える学生はほんのわずかですが、その学生の食生活の見直しの考えるきっかけになってくれるとうれしいと思っています。

 

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WRITER

小川 綾子

学生食生活相談では母親のような気持ちで、介護予防の仕事では人生の先輩に教えて頂く気持ちを持ちながら相手の気持ちに添ったサポートをしていきたいと思っています。

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