COLUMN

管理栄養士・栄養士は、食や栄養の分野で病院や高齢者施設、学校、保育園、行政、食品メーカーなどさまざまな職場で活躍しています。職場によって仕事内容や求められることが異なるのも、この資格の面白いところです。本連載では、さまざまな職場で働いている管理栄養士・栄養士の方に経歴や仕事内容、仕事のやりがいについて紹介します。
今回は、在宅診療を中心に活動しているクリニックでご活躍されている管理栄養士の吉川治輝さんにお話を伺いました。

大学卒業後から現在までの経歴を教えてください

私が専門学校4年生の時は新型コロナウイルスによる最初の緊急事態宣言が発令され、生活に大きな影響を受けました。当時は下宿生活をしており、普段の生活や国家試験対策に追われていました。そのため、就職活動に時間を割くことができず、卒業してから本格的に就職活動を始めました。急いで就職する必要がなかったため、アルバイトをしながら時間をかけて就職活動を行い、11月に回復期の病院へ入職しました。そこでは給食管理や調理業務(盛り込み・嚥下調整食の作成)、栄養指導業務に携わりました。人手不足の影響もありとても忙しい環境でしたが、そのおかげで多くの経験を積むことができました。

今の仕事についたきっかけと経緯を教えてください

回復期病院の退職を考えた際に、一度給食管理業務から離れ栄養管理業務に集中したいと思い、求人を探しました。そこで見つけたのが、大阪府吹田市にある在宅診療を中心に活動しているクリニック吹田市は、私が生まれ育った街なので、そこで地域貢献できるのはいい縁があったと思っています。在宅診療という未経験の分野へ踏み出すのは不安もありましたが、それ以上に新しいことへ挑戦する期待感がありました。結果的にクリニックでたくさんの貴重な経験をさせていただいており、日々勉強になっています。

仕事内容を教えてください

訪問栄養指導の依頼がある際は、その準備と訪問を行います。ご自宅へお伺いする時間は、患者様の予定や他の在宅サービスとの兼ね合いもあるため、患者様一人ひとりに合わせて調整しています。現在、訪問栄養指導は平均して週2回ほどなので、このあたりについてはもっと認知度を上げて多くの患者様へ食事のサポートができるようにしていきたいです。
訪問栄養指導の依頼がない際は地域活動の準備、患者様に紹介する料理の試作などを行っています。また、InstagramやYouTubeなどのSNS活動も積極的に行っており、SNS投稿や動画の編集なども担当しています。

仕事のやりがいや管理栄養士だからできることは?

管理栄養士の仕事の中でも、栄養指導にやりがいを感じています。特に訪問栄養指導では、患者様の生活に深く関わる機会が多く、自分の提案や食事プランが食生活に反映されます。そのため、患者様の一人ひとりによって対応が変わってきます。栄養指導後に患者様の病状の改善や、食事に関する負担が軽減されたなどの報告を聞いた際は、この仕事をしていて良かったなと思うことが多いです。生きていく中で重要かつ楽しみともなりえる「食べること」に関われるのは、管理栄養士という仕事の魅力的な部分だと思います。

どんな人に向いている?どんなスキルが必要?

訪問栄養指導は、患者様一人ひとりの生活に合った方法で症状の改善や生活の負担の軽減などを提案する必要があり、10人いれば十通りの栄養指導の形があります。患者様の要望や何気ない会話からどのような提案をすれば実現できるのか、ケアマネージャーや他の訪問サービスとの他職種連携をどのように取っていくのか、などを柔軟に考えるスキルが必要になってきます。また、治療食や嚥下調整食の提案、作成も行う場合もあり、調理スキルは必須であると感じています。







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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      2時間前

      訪問栄養指導など在宅医療分野で活躍している吉川治輝さんにクリニックでのお仕事をご紹介していただきました!

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Eatreat 編集部

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