管理栄養士・栄養士は、食や栄養の分野で病院や高齢者施設、学校、保育園、行政、食品メーカーなどさまざまな職場で活躍しています。職場によって仕事内容や求められることが異なるのも、この資格の面白いところです。
この連載では、さまざまな職場で働いている管理栄養士・栄養士の方に経歴や仕事内容、仕事のやりがいについて紹介します。
今回は、介護老人保健施設で働く管理栄養士の藤本瑠美さんにお話をお伺いしました。
介護老人保健施設の管理栄養士になるまで
大学卒業後、給食委託会社に就職し、介護老人保健施設に配属されました。高齢者の食事提供に携わる中で、「自分が作った食事を食べる方々と直接関わりたい」という思いがどんどん強まりました。この経験が私のキャリアの大きな転機となり、より専門的な知識と経験を積むため、現在の介護老人保健施設に転職しました。今は、利用者様の健康を栄養面からサポートし、直接関われることにやりがいを感じています。日々、利用者様の笑顔に励まされながら成長を実感しています。
憧れから始まったキャリア
給食委託会社での経験を通して、適切な栄養管理によって元気を取り戻すご利用者様の姿を目の当たりにし、施設管理栄養士として働くことへの憧れが芽生えました。その後、ハローワークで求人を探し、現在の介護老人保健施設への転職。自分の理想とする仕事に近づく大きな一歩となったのです。新しい職場では、利用者様一人ひとりのニーズに応じた栄養管理や食事提供が求められます。また、多職種との連携も重要で、チームで協力して支援できる点にもやりがいを感じています。
老健の管理栄養士の1日とは
私の1日はメールや書類の確認から始まります。その後、フロア巡回で利用者様の食事摂取状況や体調を把握します。午前中は栄養ケアマネジメントの計画書作成・見直しを行い、昼食時はミールラウンドで食事確認とコミュニケーションを取ります。午後は献立確認や新入所者の栄養管理計画立案、多職種連携のための会議参加を通じて、個別の栄養サポートを提供。夕方は記録作成と翌日の準備をして退勤します。忙しい日々ですが、充実感と達成感を感じています。
老健の管理栄養士のやりがいを感じる瞬間
管理栄養士として最も嬉しい瞬間は、食事が難しかったご利用者様が少しずつ食べられるようになる姿を見れたことです。自分が考えた献立や栄養管理が直接ご利用者様の笑顔につながる瞬間は何物にも代えがたい喜びです。在宅復帰が決まった際には、食事支援が貢献できたことを実感できる瞬間でもあり、介護老人保健施設で働く管理栄養士ならではの大きなやりがいとなっています。また、ご利用者様から感謝されることも多く、それが日々のモチベーションになっています。
「思いやる心」が鍵
施設で働く管理栄養士には、ご利用者様一人ひとりの気持ちに寄り添う「思いやり」が何よりも求められていると感じます。とくに介護老人保健施設では、食事を通じて健康を支えるだけでなく、心のケアも非常に重要です。知識や経験は後から身につくものですが、相手を思いやる気持ちは育ちにくいと感じています。この思いやりこそが、老健の管理栄養士として成功するための鍵となります。また、自分自身も常に学び続ける姿勢が必要だと思っています。心から相手を理解しようとすることで、より良い支援につながると信じています。
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