COLUMN

レシピ開発や作成のお仕事では、しばしば完成した料理の写真の提出を求められることがあります。レシピと一緒においしそうな写真が載っているだけで、「食べてみたい!」「作ってみたい!」と感じるものです。本連載では、撮影やフードコーディネートの仕事をしている私が、料理写真の撮る際のポイントを3回に分けてお届けします。第1回の本コラムでは、器の選び方や構図についてご紹介します。

器・カトラリーを選ぶポイント

器を選ぶときにまず考えたいのが、「どういった場面で食べる料理か」です。子どもや家族と一緒に食べる朝食なのか、おもてなしの料理なのか、おつまみとして食べるのか、など具体的なイメージに合う食器を選びます。

▶色
シンプルな白い器や、濃い色の黒やグレーなどの器がおすすめです。 白い器は、混ざり気のある白や少しベージュがかかった白も料理と合わせやすい反面、クリーム系や豆腐など淡い色の料理を盛り付けるとぼやけた印象を与えてしまいます。その場合は、濃い色味の食器を選びましょう。(※1参照)

黒やグレーの食器は高級感を出したり、料理の色味に深みを出すときに使います。
柄物の食器を使用する場合は、シンプルな料理のアクセントになるようなものを選びましょう。奇抜なものは避けた方が無難です。

▶質感
光沢の強いつるっとした食器は高級感を出すことも出来ますが、光が反射して映り込んでしまうことも。マットな質感のものを選ぶと撮影がしやすくなります。(※2参照)

器の大きさは撮る料理に対して余白が生まれるサイズを選ぶのがおすすめです。

▶カトラリー
撮影する料理を食べるときに使うものを選びます。スプーンやフォークも、器と同様にマット感のある素材のものがおすすめです。箸置きを使ってお箸を置く場合、それぞれ器の色と合うものを選びましょう。

▶クロス
器、カトラリーに加えてよく使うのがクロスです。器やカトラリーの下にたたんで敷いたり、くしゃっとさせてから置くことでこなれ感を演出できます。パリッとしたものやサテンのような質感の生地よりも、リネン生地のものが扱いやすくておすすめです。
明るい雰囲気の写真にしたい場合は、黄色など明るい色を使うとアクセントになります。背景や器、料理とのバランスをみて邪魔をしない色や柄を選びましょう。

構図の紹介

構図とは、写真を撮るときに被写体をどこに配置し、どう切り取るかをみた全体の形のことで、多くの種類があります今回は、レシピ用の写真によく使用する構図を4つご紹介します。(※3参照)

・三分割構図:画面を縦横それぞれ三等分し、その交点に被写体を配置する構図。メインの被写体を引き立たせることができる
・日の丸構図:被写体を中心に配置する構図。何がメインなのか分かりやすいのがメリット
・C字構図:画面内の器がCになるように配置する構図。寄った写真になるので、シズル感を出すときに使いやすい
・対角線構図:対角線上に被写体を置く構図。奥行きや動きが出る


料理写真を撮影する時には、メインとなるものを決め、それを基点としながら構図を考えていきます。構図をいくつか知っておくと、配置がスムーズに決まりやすいです。カトラリーやクロス、場合によっては食材を一緒に映すこともありますが、メインやシーンと関係のないものはなるべく入れないようにしましょう。

まとめ

今回のコラムでは、撮影前に準備をする器や構図についてのポイントをまとめました。ポイントを参考にしながら、イメージに合うものを選んでみてください。
次回は光や角度、撮影後の編集についてお届けします。




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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      1日前

      レシピ作成や商品撮影のディレクションなどを中心に活躍されている管理栄養士の佐藤里帆さんに、料理写真を撮影する際の器の選び方や構図について解説していただきました。

WRITER

佐藤 里帆

医療系食品メーカーにて病院や高齢者施設、薬局に向けて商品提案、栄養情報の提供、勉強会講師など担当。 パーソナルジム会社に転職し、ダイエット向けの食品事業の立ち上げメンバーとして、商品開発に従事。レシピ作成や食品工場との連携作業、商品撮影ディレクションなどを行いながら管理栄養士目線からのSNS運用サポートなどを行う。 現在はフリーランスとして、レシピ作成や企業様の商品開発サポート、フードコーディネーター業務、EC支援業務など幅広く活動しています。 いつかは地元の北海道のような地方を食で活性化するような仕事がしたいと活動中です!

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