SNSや雑誌などで何気なく目にすることがあるレシピ。レシピを書くときは、そのまま手順を書けばいいのでは…と思うかもしれません。しかし、料理の作り方を文章で伝えるのは意外と難しいものです。レシピ開発のお仕事をしている私から、誰が読んでも伝わるレシピの書き方を全3回に分けてお届けします。
レシピとは
レシピとは、料理の作り方を詳しく示した説明書のことです。1品に対して何をどれくらい準備して使うのか、調理道具は何を用いるのか、どういった手順で調理をするかを共有できるようにまとめたものです。一般的にどのような要素で構成されているかを紹介します。
レシピに必要なもの
▶レシピ名
どんな料理か連想しやすい名前を考えます。「おいしそう」「作ってみようかな」と思ってもらえるような名前を意識しましょう。使われている材料や調理方法などを組み合わせると作りやすいです。
▶材料表
料理で使用する材料と分量を記載します。順番は「①主材料②副材料③調味料④トッピング類」の流れで書きましょう。さらに、作り方と材料の順番が連動していると親切です。
▶作り方
工程ごとに分けて「①下準備②調理③仕上げ」の流れで書くことが一般的です。
長く書いてしまうと作り手に意図が伝わりにくくなり、何度も読み返しながら調理をすることになってしまいがちです。スムーズに調理イメージを掴んでもらえるよう作業の流れを妨げないタイミングで区切り、なるべく短く簡潔に書きましょう。
レシピにあるとよいもの
▶コツ・ポイント
よりおいしく仕上げるためのプラスの調味料や代用できる食材、調理をスムーズに行ううえでのアドバイスなど材料表や作り方に関する補足情報を書きます。
▶栄養価計算
材料が2人分であっても1人分の栄養計算結果を記載すると親切です。
▶レシピのリード文
どういった料理なのかイメージがしやすいよう、レシピの詳細に入る前に料理の簡単な説明を書きます。どんな時におすすめなのか、どんな味なのか等、簡潔にまとめましょう。
▶調理時間
どれくらいの時間で完成するかを、「調理時間○○分」といった形でレシピ名の後ろ、材料表や工程の前に書きます。
▶料理写真
おいしそうな写真を載せることで、よりレシピの魅力を伝えることができます。レシピの料理の仕上がりイメージがつくため、「作ってみたい」と思ってもらいやすくなります。
書き終えた後にチェックするポイント
①誤字脱字がないか
単なる誤字脱字だけではなく、大さじ小さじの表記やgなど単位に間違いがないかも確認しましょう。
②材料表と作り方の抜け漏れ
ありがちなのが、「材料表」と「作り方」に乖離があることです。材料表に書いてあるのに作り方にはない、または作り方に書いているのに材料表にはないことがあります。2つを照らし合わせながら、互いに抜けている部分がないかを確認しましょう。
③不足している表現はないか
煮る時間や電子レンジのワット数など、読み手が「ここはどうしたらいいのだろう?」と悩みそうな部分がないかを確認しましょう。長々と書くのは読み手に伝わりにくくなりますが、必要な情報はしっかりと記載をすることが大切です。
まとめ
今回のコラムでは、レシピを書くうえでの大まかなポイントをまとめました。
基本の項目やポイントをおさえるとレシピがぐっと書きやすくなります。
次回は「材料表の書き方」を詳しく解説します。
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