日本には伝統的な行事があり、それにちなんだ食文化や行事食があります。社会がどんどん変わりゆく中でも、それらは大切に残し、伝えていきたいものです。そこでこのコラムシリーズでは、管理栄養士の視点からさまざまな行事食をレシピとともに紹介していきます。
「節分て…?」実はよく知らない節分の意味
節分とは、冬と春の分かれ目、季節を分けるという意味があり、「みんなが健康で幸せにすごせるように」という願いを込めて悪いものを追い出す行事です。
本来は春夏秋冬とそれぞれに節分がありますが、昔は厳しい冬を越して春を迎えるということが特別なことでした。
そのため、一番ありがたいとされる春の節分だけが祝われるようになったそうです。
昔から季節の変わり目には悪い気が入りやすいと言われていて、その悪いものを鬼に例えています。
そして、「魔(ま)」を「滅(め)」する「豆(まめ)」をまいて鬼を外へ追い出し、福を呼び込むのです。
節分の食べ物について
昔は年の数だけ豆を食べるくらいだった節分の食べ物ですが、ここ数年ですっかり有名になったものと言えば、恵方巻がありますよね。
「恵方」というのは、その年の福をつかさどる神様のいる方角の事を言います。
もともとは商売繁盛を願って食べていたことが有力な説だそうですが、今では恵方を向いて巻きずしを1本まるごと食べることで、運を「一気にいただく」ということを意味するようになりました。恵方巻を食べている間は口から福や運が逃げてしまわないように、黙々と食べきりましょう。
もうひとつ有名なものとしては、イワシがあります。鬼はイワシの臭いを嫌うとされることから、厄除けの意味を込めてイワシを食べるようになったと言われています。イワシは体によい食べものとして昔から知られているので、健康を祈願する意味もあるようです。
美味しく食べて福を呼ぶ! 簡単節分レシピ①
スタンダードな節分のお祝い料理もいいですが、今回はちょっと趣向を変えて洋風テイストを取り入れた、お子さまも楽しく美味しく食べられるレシピをご紹介したいと思います。
恵方巻きロールサンド
七福神に由来する7種類の具を巻いて、体の中に福を取り入れましょう♪
具がたっぷりで、炭水化物・たんぱく質・ビタミンがとれ、栄養バランスもバッチリです!
また、ごはんより軽いのでお子さまでも1本食べきりやすいです。
手巻き風に自分で巻いて食べても楽しいですね。
【材料:6個分】
・サンドイッチ用食パン…6枚
・板海苔…2枚(おにぎりサイズ海苔6枚でも)
・サラダ菜…6枚
・千切りきゅうり…30g
・ゆで卵…1個
・マヨネーズ…大さじ1
・スライスチーズ…2枚
・千切りにんじん…30g
・カニ風味かまぼこ…4本
・紫玉ねぎ(薄切り)…30g
・すし酢…小さじ2
【作り方】
①ゆで卵は包丁で刻むかフォーク等でつぶしてマヨネーズで和える。スライスチーズは5ミリ幅程度の細切りに、カニ風味かまぼこは細かめに割く。紫玉ねぎは薄切りにしてすし酢と合わせておく。海苔の長い辺側を3等分になるよう切る。
②サンドイッチ用食パンにサラダ菜を置き、準備した具材を6等分ずつ並べる。
③まずサラダ菜で具を軽く巻いてからサンドイッチ用食パンで巻く。
④海苔を外側に巻き付け、巻き終わりを分量外のマヨネーズでとめる。
美味しく食べて鬼退治を! 簡単節分レシピ②
いわしと大豆のケチャップ煮チーズ春巻き
イワシも大豆もとても体にいいですが、お子さま人気はイマイチですよね。でもケチャップ味に煮て春巻きの皮でかくし、香ばしく揚げればお子さまも美味しく食べてくれるはず!
生のイワシをあつかうのはちょっと…という方にも作ってもらいやすいよう、お手軽な缶詰を活用しました。
【材料:10個分】
・イワシの味噌煮缶…2缶(200g・味噌がなければ他の味でも)
・大豆水煮…1袋(150g)
・千切りきゃべつ…100g
・トマトケチャップ…大さじ2
・バター…10g
・ピザ用チーズ…40g
・春巻きの皮…1袋(10枚
・水溶き小麦粉(水:小麦粉=1:1くらい)…適量
・サラダ油…適量
【作り方】
①イワシの味噌煮缶、大豆水煮、トマトケチャップ、バターをフライパンに入れて、汁気がだいたいなくなるまで炒めて冷まします。
②千切りきゃべつをラップに包んで電子レンジ(600W)で1分加熱したら裏返してもう30秒加熱し、冷まします。
③1枚ずつはがした春巻きの皮の手前に、①の具と②のきゃべつ、ピザ用チーズ小さじ1程度をのせて包み、水溶き小麦粉ではじをとめます。
④鍋やフライパンに③を並べ、1センチ程度の深さまでサラダ油を入れます。
⑤中火で加熱し、きつね色に色づいたら裏返して同様に加熱します。
今年の節分にぜひお試しくださいね。
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