前回のコラムに続き、2024年下半期の食や栄養、健康に関する主なニュースを総まとめしていきます。
上半期のまとめコラムはこちらをご覧ください。
2024年下半期 ニュースいろいろ
2024年下半期の主なニュースをピックアップしました。世の中のニュースと併せてご覧ください。
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栄養関連ニュース
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世の中のニュース
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7月
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●「急性呼吸器感染症」の患者数を定点把握へ
厚生労働省は感染症発生動向調査について、今年度中に新たな区分「急性呼吸器感染症(ARI)」を設け、全国の定点医療機関に患者数を報告させる方針を決めた。
●高齢者の転倒リスクが分かるツールを開発
兵庫県立大学と大阪公立大学は、地域在住高齢者のデータベースを用いて、転倒リスクを評価するための計算式と高齢者自身でも入力しやすい評価ツールを開発。7つの質問でリスクを判定。
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●20年ぶりとなる新紙幣の発行が始まる
●佐渡島の金山」が世界文化遺産に登録される
●米でトランプ氏が演説中に銃撃される
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8月
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●「令和5年度食料自給率・食料自給力指標」および「令和5年度食料需給表」を公表
カロリーベース食料自給率は前年度並みの38%、生産額ベース食料自給率は前年度より3ポイント高い61%。
●脂肪性肝疾患の新しい日本語病名を発表
日本肝臓学会と日本消化器病学会は、脂肪性肝疾患の新しい日本語病名を発表した。新しい日本語病名は、「脂肪性肝疾患(SLD)」「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)」「代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)」など。
●「令和4年 国民健康・栄養調査」の結果を公表
厚生労働省は、3年ぶりとなる「令和4年 国民健康・栄養調査」の結果を公表した。「働く世代」ではこの10年間をみると、睡眠不足や野菜摂取量が減少し、男性では肥満が、女性では過度の飲酒が増加していた。
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●パリオリンピックで日本は金メダル20個、銀メダル12個、銅メダル13個を獲得。金、総数ともに海外の夏季五輪では過去最多
●宮崎県沖で(M)7.1の地震が発生。気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を初めて発表
●岸田文雄首相が退陣する意向を表明
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9月
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●食品衛生法に基づく食品衛生法施行規則の一部を改正する省令を施行
厚生労働省は、いわゆる「健康食品」等と健康被害事例の関連が疑われた場合の情報提供を義務化。
●「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)」の概況を公表
厚生労働省は、「令和5年(2023)人口動態統計(確定数)」の概況を公表した。
出生数は72万7288人で前年の77万759人より4万3471人減少し、明治32年の人口動態調査開始以来最少となった。合計特殊出生率は1.20で前年の1.26より低下し、過去最低となった。
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●気象庁は6月~8月の平均気温が昨夏と並び、1898年の統計開始以降最も高かったと発表、猛暑日の地点数も過去最多を更新
●米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手が、メジャー史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成
●自民党総裁に石破茂・元幹事長が選出
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10月
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●「令和6年版 厚生労働白書」を公表
厚生労働省は「令和6年版 厚生労働白書」を公表し、特集テーマとして「こころの健康」を初めて取り上げた。
日本は精神疾患の患者数や自殺者が増加の一途をたどっており、健康にとって最もリスクとなる要因を「精神的なストレス」と答えた人の割合が、20年前と比べ約3倍増えていることがわかった。
●「尿ナトカリ比」日本人のための目標値と適切な評価方法を提唱
日本高血圧学会は「尿ナトリウム/カリウム比(尿ナトカリ比)」が、血圧高値と関連していることを明らかにし、「2未満」を至適目標、「4未満」を実現可能目標に設定することを発表した。
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●自民党の石破茂総裁が第102代首相に選出、石破内閣が発足
●東京都で全国初のカスハラ防止条例が可決、成立
●ノーベル平和賞を「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」が受賞
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11月
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●「令和5年 国民健康・栄養調査」の結果を公表
厚生労働省は「令和5年 国民健康・栄養調査」の結果を公表した。
栄養・食生活に関する状況では、20歳以上の野菜摂取量の平均値は256.0gであり、男性では直近10年間で有意に減少、女性では平成27年以降有意に減少した。
●「令和5年度学校保健統計調査」の確報値を公表
文部科学省は「令和5年度学校保健統計調査」の確報値を公表した。
調査結果のポイントは「健康状態調査」と「発育状態調査」に分けて、3つずつ挙げられている。
【健康状態調査】
①裸眼視力1.0未満の者の割合は、学校段階が進むにつれて高くなっており、小学校で3割を超えて、中学校では約6割、高等学校では7割近くとなっている。
②むし歯(う歯)の者の割合は、小学校・高等学校で4割を下回り、幼稚園・中学校では3割を下回っている。
③鼻・副鼻腔疾患の者の割合は、小学校・中学校で1割程度となっている。
【発育状態調査】
① 身長の平均値は、ほとんどの年齢層で男女とも平成10年度代まで上昇し、その後横ばい傾向。
② 体重の平均値は、ほとんどの年齢層で男女とも平成10年度代まで上昇し、その後横ばい傾向。
③ 肥満傾向児の割合は男女ともに9歳から12歳が最も高く、特に男子は9歳以降1割を超えている。
痩身傾向児の割合は、男女とも10歳以降は約2%~3%台と高くなっている。
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●第2次石破内閣が発足
●プロ野球の「SMBC日本シリーズ2024」で横浜DeNAベイスターズが26年ぶりの優勝
●トランプ氏が米大統領選で4年ぶり返り咲き
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12月
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●健康保険証の新規発行停止、マイナ保険証へ移行
現行の健康保険証は12月2日から新規発行が停止され、マイナンバーカードを基本とする仕組みへ移行する。
●健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令の一部改正が公布・施行
特別用途食品制度の運用について法的根拠を明確化し、規定に違反した際には許可を取り消せることとした。経口補水液に関する規定については2025年6月1日(日)から施行。
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●気象庁は9月~11月の平均気温が東日本から沖縄・奄美は1946年の統計開始以降、秋として過去最高を更新したと発表
●今年の漢字は「金」の文字が選ばれる、3年ぶり5度目
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Eatreat編集部では食や栄養、健康に関するニュースだけでなく、世の中の動きも常に追いながら、管理栄養士・栄養士の皆さまのお役に立つ情報を発信していきます。
2025年もEatreatをどうぞよろしくお願い申し上げます。
参考文献
・「Eatreat ニュース一覧」、Eatreat、https://eat-treat.jp/news(閲覧日:2024年12月)
・「日本栄養士会 栄養業界ニュース 一覧」、日本栄養士会、https://www.dietitian.or.jp/trends/(閲覧日:2024年12月)
・「ニュース記事一覧」、糖尿病リソースガイド、https://dm-rg.net/news/4ebe77b2-4447-43dd-9602-cef8be940897(閲覧日:2024年12月)
・厚生労働省HP、https://www.mhlw.go.jp/index.html(閲覧日:2024年12月)
・文部科学省HP、https://www.mext.go.jp/(閲覧日:2024年12月)
・「2024年日本の主なニュース」、読売新聞オンライン、https://www.yomiuri.co.jp/feature/top10news/20241125-OYT8T50161/(閲覧日:2024年12月)
・「2024年の出来事」、時事通信、https://www.jijiphoto.jp/resource/html/ext/news/year/2024/index.html(閲覧日:2024年12月)
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