COLUMN

前回までのコラムはこちら。
『脂質異常症になりにくい食事の工夫①』
『脂質異常症になりにくい食事の工夫②』

食事についての注意点とよく見られる特徴

食事については、以下のような生活が脂質異常症を招きます。

①高エネルギーの食事:過剰なエネルギー摂取は、コレステロールや中性脂肪を増やします。
③動物性脂肪の摂り過ぎ:コレステロール値を上昇させ、内臓脂肪型肥満になりやすくなります。
③お菓子や果物の食べ過ぎ:過剰な糖分の摂取は中性脂肪を増やします。
④アルコールの飲み過ぎ:エネルギー過剰で中性脂肪を増やします。

またLDLが高めの方に見られる食事の特徴は以下の通りです。

・揚げ物やアブラっこい料理が好きでよく食べる。
・肉料理が好き。ヒレよりロースが好き。
・レバーやモツなどの内臓をよく食べる。
・たらこ・イクラ・すじこ・数の子・うになど魚卵をよく食べる。
・バター・生クリームのケーキ・洋菓子をよく食べる。
・魚をあまり食べない。
・野菜や海藻類、豆類はあまり食べない。
・お酒をよく飲む。
・食事量が多く、いつもおなかいっぱいに食べる。

中性脂肪が高めの方に見られる食事の特徴は以下の通りです。

・食事量が多く、いつもおなかいっぱいに食べる。
・ごはん(炭水化物)をたくさん食べる。
・お菓子や清涼飲料水・ジュースなど甘い食品をたくさんとる。
・揚げ物やアブラっこい料理が好きでよく食べる。
・お酒をよく飲む。

LDLと中性脂肪の両方が高めの方の食事の特徴は以下の通りです。

・朝食を抜くことが多い。
・夜遅く食べたり、就寝前に食べたり飲んだりすることが多い。
・食事の時間が不規則。
・早食い。
・一度にたくさん食べる、ドカ食いする。
・間食が多い。
・偏食で、特定の食品ばかり好んで食べる。
・外食が多い。

以上、思い当たる点がある方は改善していきたいですね。

脂質異常症を防ぐための食事の3つのポイント

次に食事の際のポイントです。

①食事の半分は、主食で摂る
ご飯やパンなどの炭水化物はエネルギー源として重要です。
②栄養が偏らないようにする
肉・魚・卵・大豆製品と一緒に野菜もしっかり添え、まんべんなく食べましょう。野菜300gで約10gの食物繊維が摂れます。
③ゆっくりよく噛んで食べる
きちんと噛む事は口の運動になります。早食いは食べ過ぎにつながります。外食時は丼物と定食であれば定食の場合は、主食とおかずが分かれているので、箸の運ぶ回数も増え、早食いの防止になります。

食生活は、つらい、味気ないと感じることがないようにしていきましょう。ごく普通に楽しめるようにするのが大切です。

運動強度・飲酒・水分量の適量については、健診時などに担当医へ確認するのをお勧めいたします。

参考文献
日本動脈硬化学会  http://www.j-athero.org/publications/
『脂質異常症<コレステロールと中性脂肪>─最新の食事療法─<患者のための最新医学>』寺本 民生 高橋書店 2016
『きょうの健康』2017年2月号 NHK出版 2017

 

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      2084日前

      Eatreat編集部です。最終回は、脂質異常症を防ぐための食事の3つのポイントについてお届けしています。

WRITER

小山 幸子

現在は病院、クリニックでの食事サポート、調理実習のほか、食コラムの執筆等。 『この食事が、人生で最後の食事かもしれない』を、モットーに業務に携わっている。 メカオンチのあがり症。 高校卒業後、会社員として8年間勤務後、26歳で栄養士養成校へ。 教員より年上の生徒だった経験を持つ異色の栄養士。 毎日書道会 会友 (雅号:小山 桃花)

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