COLUMN
  • 管理栄養士・栄養士インタビュー
    2018.02.09

    管理栄養士として臨床と予防の両軸で長い人生を食から総合的に支えたい - 國枝加誉さん

  • posted by Eatreat 編集部

今回は、フリーランスの管理栄養士として多岐に渡る活動をしている國枝加誉さんに、管理栄養士になったきっかけや現在の仕事内容、今後の展望などについてお話をうかがいました。

若年2型糖尿病が管理栄養士を目指すきっかけに

昔から英語の歌や映画が好きだったので、将来の目標はずっと「翻訳家」でした。ところが、高校2年生の時に自らが痩せ型の2型糖尿病と診断されて入院することになり、人生が大きく転換しました。食事が心身に大きく影響していることを痛感し、栄養学って面白い!と思ったこと、接してくれた栄養士さんの人柄が素晴らしかったことから、高校3年生の春、進路を管理栄養士に変更しました。
関西人気質なので何事に対しても「もったいない」とか「元を取りたい」という気持ちが強いためか(笑)、病気をしても美味しく元気に食べることをあきらめたくなかったのだと思います。

「臨床」と「予防」の両軸に携わる意義

大学での学びはとても面白く、治療食の基礎を学ぶために「最初は病院に就職したい」と決めていました。卒後すぐに、大学病院の病棟専任栄養士として個人・集団栄養指導やベッド訪問という、とても責任ある仕事をさせていただきました。その後は紆余曲折し、ベンチャー企業などで栄養士としてではない仕事も経験しましたが、すべてが糧になっています。
「管理栄養士・栄養士」はあくまで資格名であって、職業名ではないと捉えてきました。
栄養士というアイデンティティーを活かしつつ、「誰に対してどのように食で貢献するか」を具体的に考え行動することが大切だと思います。
私は自身の経験から、もし病気になってしまっても食を楽しむ気持ちを忘れない、同時に、食から防げる病気は徹底的に防ぎたいという思いがかなり強くあります。予防医療には臨床の知識が必要ですし、病気を持ちながらも健康度の高い方はたくさんいます。人の心に寄り添い、長い人生を食から総合的に支えたいので、臨床と予防の両軸で活動することに大きな意義を感じています。

管理栄養士はあくまで「黒子」

いまの仕事内容は、クリニックでの栄養指導(指導という言葉がキライで、実際には食相談と呼んでいます)、健康系民間資格の講師業、講演・執筆、企業様とのプロジェクトなどです。
どの仕事においても、管理栄養士の役割は「黒子」のようなもの、主役はあくまで相手です。一対一のカウンセリングも、100名以上の講演も、すべてが「対話」だと考えています。
相談に乗らせていただいていて、相手の表情が明るく変わった時にやりがいを感じます。クリニックでは特に、すぐに結果が出ないことも多いです。でも、日々患者さんとのやり取りの中で種がまかれて、時間が経ってから数値や症状が改善されて芽吹きます。
栄養士の役割は、相手の種まきから芽が出て花が咲くまでの支援であり、その流れが継続したり循環したりすることが栄養士の目標だと思います。

「伝える」に特化した栄養士に

管理栄養士は、一生が学び。楽しく勉強しながら相手を健康にできる仕事です。栄養士という資格名におごらずに、相手の健康に貢献できる仕事をどんどんしていきたいと考えています。
わかりやすく伝えられる栄養士が増えれば、健康な人を増やすことにつながります。私が目指しているのは、先生と呼ばれるよりも「食健康の池上彰さん」として、「尋ねやすい・聴きやすい・わかりやすい」栄養士です。もちろん正しい知識や研鑽は必要ですが、しっかり噛み砕いて相手をスッキリさせたいです。

今後はこれまで細々活動していた「発信力を高めるための勉強会」を活性化させます。仕事は大好きですが、プライベートも大好 きな音楽を聴いたり歌ったりしてリフレッシュしながら、栄養士仲間のため、世の中の健康増進のためにがんばります。

みんなのコメント( 3

    • ID: 313
      2464日前

      私も黒子に徹してがんばります。

    • 國枝 加誉
      2488日前

      ★菅原さま
      ありがとうございます!精進いたします!

    • ID: 324
      2489日前

      世の栄養士さんたちのために頑張ってください!

WRITER

Eatreat 編集部

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