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今回は、mamaful代表で「子育ては(やっぱり)楽しい!」と思えるママを増やしたいという思いから、フリーランスとして活躍中の隅弘子さんにお話をうかがいました。

管理栄養士目指したきっかけはダイエット本

人生初のダイエットにチャレンジする時に買ったカロリーBookのような本が栄養や食を意識するきっかけでした。栄養士という職業があることを認識したのは、それよりもっと後だったと思います。ただ、こういった本を熟読することで「何を食べるとどうなるのか」という、食べ物と身体の関係に興味をもつことができました。
大学受験は栄養のみならず、社会的な学問にも興味があったため、合否結果の中から栄養士養成校を選択しました。このことが後の人生の大きな分岐点になったと思います。

委託給食会社でのありがたい経験

私は食を主体として、「自分が何か周囲に貢献できることがないか」という思いを持って動いています。現場の最前線よりも後方支援のような職に就きたいと考え、委託給食会社を中心に活動をしていました。
委託給食会社では管理栄養士の有資格者として、新規営業をとる部署へ配属されました。その後、事業所担当として主に学校給食事業所のスーパーバイザー業務や事業所勤務スタッフへの衛生講習指導などを経験しました。「あなたは管理栄養士という資格をもっているのだから…」と同じ資格を持つものとして業務を通じ、積極的に先方の学校栄養士の先生と食と子どもについてという情報交換をさせていただく経験はとても今に役立っています。
また、学校給食に従事するスタッフの管理・指導を通して、衛生管理についての重要さも痛感しています。どうしたら異物混入せずに安心して食べられる給食が提供できるか、そして、あってはならない食中毒をいかに防ぐために必要な知識の啓蒙などは数百人のパートさん含め大人数に及ぶため、いかに多くの人にきちんと伝わる内容で研修をするかを常に考える機会はいまの「講師業として伝える」という経験の土台だったかもしれません。
また、苦手だった調理も大量調理という特殊環境の下で、現場応援の際に鍛えていただき、いつのまにか包丁を使う、早く切るためのコツなども教わりました。

ベンチャー企業勤務で気が付いた栄養や食の大事さ

その後、ベンチャー企業等に就職し、「食」をフランチャイズ加盟開発、外食産業など様々な視点から仕事に従事しました。主に栄養士という立場ではなく一般職としてさまざまな食の視点を学んだ時期でもあります。
若い女性の食の関心がどこにあるのか、どんなダイエットが流行っていてどういった結果が出るのか、もしくはどんなリバウンドがあるのか。そしてオフィス内でひざ掛けや羽織ものがないと寒いと感じるような冷え性の方や、食事量が圧倒的に少ない女性が多いということ。便秘や生理痛などの不調を抱える女性が結構多く、何かしらの薬を頼ることも結構多いと思ったこと。いつも美味しそうに食べる私の食べ姿をうらやむ人が案外多く、丈夫だよねといわれる理由を自ら検証してみたくなったことが、栄養や食について学び直すきっかけとなりました。
学生時代よりも社会人になって改めて学び直したことで得たものは大きく、好き嫌いが多かった野菜を含めてジャンキーな食品好きから、よりシンプルな味が美味しいと食の嗜好もどんどん変わり、さらに疲れにくくげんきを保てる身体を手に入れられたと感じることが多くなりました。

管理栄養士・栄養士になる前のイメージと実際

大学で学んでいた当時は多方面で活躍される栄養士像が浮かばず、病院、市役所などの公務員、集団給食、メーカーの食品開発などから興味ある分野に進むという選択肢しか持っていませんでした。「栄養士=縁の下の力持ち」いう職種として表に立って活躍ができることは、ごくわずかの栄養士であると勝手に思っていました。
その後、フリーランスという働き方が広まる中で、自分でも活躍できる栄養士像を明確に考えるきっかけがあり、子育ての経験が活かせる栄養士像というイメージが抱けたことが大きな転換期でした。決して料理が得意でなくても「自分で体験したこと、周りから知ったこと、仕事を通じて経験したこと、全てが今後の仕事に活かせる仕事」であると自信が持てたことで「生涯現役」宣言ができる職業であると感じています。

管理栄養士としてやりがいを感じる時

病気になった場合はお医者さんが治してくれます。薬が必要であれば薬剤師さんに頼ることができます。栄養士は診断・治療はできません。ただ、病名がつかないような不調や悩みを抱えた人がいた場合は、日々の食事から健康や元気を整えるお手伝いができます。
普段、私が仕事を通して関わる方として、育児中のお母さん方がいらっしゃいます。妊活、妊娠期からはじめ、赤ちゃん誕生後、離乳食・幼児食・学童食と日々成長していく我が子に関して、直接コミュニケーションをとりながら、現状に即したアドバイスをさせていただくことで、お母さん方の不安や悩みに対してそっと寄り添うことが、一番のやりがいにつながります。ただアドバイスを聞いてもらって終わりではなく、すぐに「やってみます!」という言葉や子育てを頑張ろうと前向きに考えてもらえる笑顔を見ることをモットーにやっている分、実際に「○○できました!」「あのとき聞いてくれてありがとうございます」といった言葉を重ねていただけると、さらにやりがいとともに自身も更に学び続けようという思いがあふれます。
子育てに関する情報は世にあふれ返っていますが、かえってその情報量の多さに困惑し判断できないと感じているお母さんも多くいるのが現状です。理想的な内容を伝えるだけではなく、直接話すことで今の現状に寄り添いながら、その時その時に最良のゴールを一緒に設定していきます。そうして無理なく悩みを解決していくという流れは本当に仕事としてやりがいを感じます。

管理栄養士・栄養士を目指す人に向けて

管理栄養士は国家資格であるのに、給与面が思うように上がりにくいと思っている方も多いと思います。私は、管理栄養士として当たり前に求められている業務に加え、どのような付加価値が求められているかが地位向上につながるかと思っています。経験年数というものだけが必要ではなく、どのような栄養士になりたいかが明確になればなるほど、より専門性と学ぶ方向性が決まってくると思います。日々勉強です。たくさんの方とフラットな関係で話しましょう。食というテーマははじめて会った方でも会話の切り口になるテーマであり、その方のおおよそがわかるくらい「食べる」にはいろいろな人生が詰まっています。知識を伝えようの前にどんなことに悩んでいるのか、食に対してどんなことを感じているのかをじっくり聞くことからはじめてみてほしいです。

また、栄養士同士での交流をすることで学べる見識も多いと思っています。乳幼児に関わる栄養士さんの中には自分には子育て経験がないからという方も結構いらっしゃいます。経験の有無を理由にせず、いかに相手の立場に立ってアドバイスをする環境を作るかなども今後求められていると思います。どんどんコミュニケーションができる栄養士さんが増えるといいですね。

たくさんの人の健康を応援できる栄養士に!

管理栄養士・栄養士という資格はたくさんの人の健康を応援することができます。専門的な知識が多い資格ではありますが、その専門性をいかに多くの方に共感していただけるようにわかりやすく説明できるかが今後は求められてくるスキルだと思っています。
どこかで悩んでいる「誰か」を思いながら仕事をすることでより求められる栄養士像につながると思っています。「あの栄養士さんのようになりたい!」と栄養士自らが健康的な職業No.1となれるように、自身の食生活においても食を楽しめる栄養士さんになってほしいなと思います。
食べることは日々生きること。食べることなくてして人は生きられません。自分の毎日の食事の選択全てが、誰かの健康の応援につながる経験として活きてきます。それを忘れずに食べものの力を生きる力に変えられる仕事としていきましょう。

 

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みんなのコメント( 2

    • 山岸 奈緒美
    • 山岸 奈緒美
      7日前

      管理栄養士だけでなく、付加価値をという言葉に納得しました。常に、自分の目指すところを見据えて努力されている姿勢が素敵だと思います!

      0

    • 賀茂 明子
    • 賀茂 明子
      16日前

      なんだかお写真がとてもイキイキとされていて素敵です。

      0

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「子育ては楽しい!」と思えるママを増やすべく、フリーランス(mamaful代表)として活躍中! 管理栄養士 隅弘子さん

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