COLUMN
  • 管理栄養士・栄養士インタビュー
    2019.05.27

    ロカボの魅力を伝えたい。食品メーカーで働く管理栄養士 沢目晃誠さん

  • posted by Eatreat 編集部

今回は、洗浄剤などの衛生用品や食品の開発・販売を行う東京サラヤ株式会社で管理栄養士として活躍中の沢目晃誠さんにお話をうかがいました。

管理栄養士を目指したきっかけは?

小さい頃の夢は「料理人」になることでしたので、地元である青森県の高等学校の調理師養成課程へ入学しました。
和洋中ぞれぞれの料理をホテルの先生から教えていただいたほか、栄養学や食品衛生学といったものにも初めて出会い、「食」という分野の広さを感じました。
栄養計算についてもその中で学び、授業で作った料理を計算していましたが、ある日にふと、エネルギーや脂質の量が気にかかり、「毎日食べて健康を維持できる食事とは何だろう?」ということを考え始め、調理師ではなく栄養士になろうと思い大学へ進学しました。

大学ではどのような活動をしたのですか?

埼玉県の大学に入学し、1人暮らしも始めました。アルバイトもしていましたが、それほどお金は無かったので、食生活は糖質に偏ったものが多かったと記憶しています。
「食生活を変えれば」と簡単に言ってしまいがちですが、経済的な事情で食生活を変えることが難しい方もいることを、身を持って経験しました。また、就職についてですが、現在の会社は就職活動中に大学の先輩から教えていただき知りました。
衛生の会社ということもあり、管理栄養士として何に貢献できるかと考えたとき、直接栄養に関わるところではありませんが、どんなに計算されて栄養価が高い料理でも、お皿や料理自体が汚染されていては意味がない。ということに気づき、衛生面でのサポートをすることに大きな意義を感じました。

現在はどのようなお仕事をされているのですか?

サラヤ株式会社の食品事業開発本部 学術開発部という部署で業務をさせていただいております。会社の主力製品のレシピサイトの栄養計算や、栄養士のためのサイトへのレシピ投稿などをしたり、営業の方と同行して、販売店や卸店、薬局の方々に向け、食品開発の基軸でもある「ロカボ(適正糖質)」の情報提供をさせていただいております。

「ロカボ」というのはどういったものですか?

食・楽・健康協会 理事長の山田悟先生が提唱されている食事方法です。
1食の糖質量を20g以上40g以下とし、間食で10gの糖質も楽しみ、結果として1日の糖質量が70~130gになるという食事法です。
血糖値に大きく影響を与えるものは三大栄養素の糖質で、逆にたんぱく質と脂質は血糖上昇を抑制してくれるので、積極的にお腹いっぱい摂ることを推奨しています。また、アルコールも(いわゆる適量飲酒という概念は残りますが)上記の糖質量の範疇で存分に楽しんでいただくことをお勧めしています。

管理栄養士・栄養士になる前のイメージと、なった後の感想などはありますか?

管理栄養士という仕事は、高校生までは病気にかかった方に栄養指導を行う職業だと思っていましたが、今は、病気にかからないための予防について啓発する職業でもあることがわかりました。また、甘味料メーカーのため、栄養以外にも甘味料の機能や材料の特性なども知識として必要なこともあり、改めて食の分野は広いと感じています。

やりがいを感じるのはどんな時ですか?

世の中を良くするために開発している食品を一般の方や栄養士の方にご案内させていただけることに、やりがいを感じています。現在、少しずつ世の中にロカボ(適正糖質)が広がっています。少し前までは、ダイエットや体質改善を目的とした時には、カロリー制限のみが食事のコントロール方法でしたが、第2の選択肢としてロカボをお伝えできることは、非常に意義のあることだと思います。
食生活は積み重ねですので継続性も重要になりますが、自分ができるものを実生活に取り入れていただくことで、ストレスなく継続でき、楽しく健康に過ごせると考えています。また、その際にカラダの機能と栄養素を関連付けてお話し、お客様に納得していただいた時に勉強していて良かったと感じます。

将来の目標は何ですか?

「食事」は生きていく楽しみの上で、非常に大きいウエイトを占めると思います。各年代で食生活と疾患の問題はさまざまありますが、その予防を前提に、なるべく食べたいものを食べて、イキイキと過ごせる食生活の提案をできるようになりたいと思います。

管理栄養士・栄養士を目指す人に向けて一言

勉強は大変かと思いますが、食を通じて健康に貢献できる魅力的な職業ですので、がんばってください! また、個人的な考えですが、栄養士や管理栄養士は一般の方々と近い距離にいて良いのではないかと思います。学生時代から食事と健康維持で分からないことは相談するような関係性でいられればもう少し食育も進み、食事の考え方も変わってくるのかなと思いますが、生活習慣病が増えてくる40代、50代になってから初めて関わるのでは、その方の食傾向を変えるのが難しくなってくるのかなと思います。食育の時間が不足していて、どんな食生活が生活習慣病に繋がるかわからないという方も多数いらっしゃるのであれば、知識の提供だけでも予防につながるのではないかと考えています。

参照:『おいしく楽しく適正糖質 ロカボ』https://locabo.net/about/

みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      2005日前

      Eatreat編集部です。本日のコラムは、東京サラヤ株式会社で管理栄養士として活躍中の沢目晃誠さんのインタビューです。気になるロカボのご案内も。

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