COLUMN

令和3年度介護報酬改定では、栄養関連の部分でも大きな変化がありました。
連載最終回は、「介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進」と「栄養食事指導の見直し」について解説します。

介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進

1990年代以降に医療分野においては、「エビデンスに基づく医療(Evidence Based Medicine:EBM)」が実施されていますが、介護分野においても介護関連データベースによる情報の収集・分析、現場へのフィードバックを通じて、科学的裏付けに基づく介護の普及・実践をはかることとなりました。栄養についても示されており、科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence;LIFE ライフ)への積極的な参画が求められていると考えます。(図1)

図1

 

栄養食事指導の見直し

管理栄養士による当該事業所以外の他の医療機関、介護保険施設、日本栄養士会又は都道府県栄養士会が設置・運営する「栄養ケア・ステーション」の管理栄養士が実施する場合の区分が新たに設定されました。なお、他の指定居宅療養管理指導事業所との連携により管理栄養士を確保し、居宅療養管理指導を実施する場合、主治医が認めた場合は、管理栄養士が所属する居宅療養管理指導事業所が算定することも可能となり、在宅へ訪問する管理栄養士の対象枠が大幅に広がりました。

 

さいごに

今回の診療報酬改定は、栄養に関しても沢山の改定点がありました。
今後は外部の管理栄養士との連携によって訪問栄養食事指導の実施が可能になり、今まで訪問したことがない管理栄養士も在宅の分野で活躍できるチャンスが到来したと思います。とはいえ、初めての方は尻込みしてしまうこともあるかと思いますが、そんな時は研修会に参加してみてはいかがでしょうか。例えば日本在宅栄養管理学会は、訪問栄養食事指導を実施している管理栄養士が多く所属する学会であり、研修会も実践的でお勧めです。
認定栄養ケア・ステーションも運営している立場としては、可能性がかなり広がりワクワクしています。私自身、地域のデイサービスと連携し、算定に向け動き出したところです。
まだまだ私自身も手探りの状況ではありますが、実践しつつ介護分野におけるエビデンスの構築にも貢献出来たらいいなと考えています。
今回のコラムでは、ざっくりとした情報のみ掲載していますが、日本栄養士会では、今回の介護報酬改定について非常に詳しく発信また研修を行っていますので、ぜひ参考にしてみてください。また、制度に関する詳しい情報は以下も参考にしてみてください。

介護報酬、日本栄養士会:https://www.dietitian.or.jp/data/nursing-reward/

令和3年度介護報酬改定について、厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00034.html

 

参考文献
1)令和3年度介護報酬改定、管理栄養士・栄養士これだけは押さえたい3つのポイントをチェック、公益社団法人日本栄養士会、https://www.dietitian.or.jp/features/nursing-reward/20210302-01.html、(閲覧日:2021年5月28日)

図の引用)令和3年度介護報酬改定について、厚生労働省、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00034.html(閲覧日:2021年5月31日)

 

関連コラム
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令和3年度介護報酬改定(栄養関連)について①
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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      1223日前

      栄養関連の令和3年度介護報酬改定を解説するシリーズ、連載最終回です。

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