令和3年度介護報酬改定では、栄養関連の部分でも大きな変化がありました。施設、通所、居宅療養管理指導の改定に加え、今回は認定栄養ケア・ステーションについても多く盛り込まれています。私たち栄養士、管理栄養士にとっては追い風ですし、頑張りどころの内容が満載です。
令和3年度介護報酬改定の概要とポイント
今回の介護報酬改定の概要は、5つのテーマから構成され、『新型コロナウイルス感染症や大規模災害が発生する中で「1.感染症や災害への対応力強化」を図るとともに、団塊の世代の全てが75歳以上となる2025年に向けて、2040年も見据えながら、「2.地域包括ケアシステムの推進」、「3.自立支援・重度化防止の取組の推進」、「4.介護人材の確保・介護現場の革新」、「5.制度の安定性・持続可能性の確保」を図る。』とされています(図1)。また、今回の改定率は+0.7%と高めです。
私たち栄養士、管理栄養士については、「施設系サービスでは、栄養ケア・マネジメントを強化(加算新設、人員基準の見直し)」、「通所系サービスや認知症グループホームでも、栄養改善の取組が充実(加算新設、要件追加)」、「栄養ケア・ステーションの活動の幅が広がる」1)の3つのポイントが挙げられています。今回は、それぞれのポイントについてお話ししたいと思います。
施設系・通所系サービスについての概要
「3.自立支援・重症化防止の取り組みの推進」については、図2に示す通りの内容となっており、全体像が見えると思います。
施設系サービスにおける栄養ケア・マネジメントの充実として以下の通り示されており、かなり大きな改定と思われます。
また、今回から看取り期における栄養ケアの充実を図る観点から、介護保険施設における看取りへの対応にかかる加算、または基本報酬の算定要件や、褥瘡マネジメント加算、褥瘡対策指導管理の算定要件に、関与する専門職種として管理栄養士を明記することになりました。
再入所時栄養連携加算については、現行の400単位/日から200単位/日に改定されましたが、「指導又はカンファレンスへの同席は、テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする」とされ、移動時間など考慮すると今まで以上に連携は図りやすくなることが期待されそうです。
介護における食費の基準費用額も見直され、現行の1392円/日から改定後の1445円/日(令和3年8月施行予定)についても示されています。
令和3年度介護報酬改定(栄養関連)について②へ続きます。
参考文献
1)令和3年度介護報酬改定、管理栄養士・栄養士これだけは押さえたい3つのポイントをチェック、公益社団法人日本栄養士会、https://www.dietitian.or.jp/features/nursing-reward/20210302-01.html、(閲覧日:2021年5月28日)
図の引用)令和3年度介護報酬改定について、厚生労働省、https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00034.html(閲覧日:2021年5月31日)
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