スポーツ栄養の現場から-園部裕美さん

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管理栄養士・栄養士インタビュー

2017.10.10

スポーツ栄養の現場から-園部裕美さん

管理栄養士インタビュー
posted byEatreat 編集部

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今回は、スポーツ栄養専門のフリーランスとして活躍している園部裕美さんにお話をうかがいました。バイタリティがあり、インタビューの質問にもハキハキとした受け答えをしてくださり、楽しいお話を聞くことができました。

何事も諦めない性格

高校進学の時に、どこの大学に行こうか悩んだ時に、スポーツ関係の職に就きたいなと考えていたところ、薬剤師や医学療法士や看護師という道もあったのですが、ご飯関係ということで栄養士って何か楽しそうだな～という軽い感じで管理栄養士を目指すことにしました。出身地の長野県には四大に通って管理栄養士の資格を取ることができる大学がなかったので、その時に独りで上京することを決意しました。

バリバリ働きたいという気持ちがあり、就職活動は積極的にしていました。企業も受けたのですが、エントリーシートなどを書くのが少し苦手でとても苦労しました。ですが、自己分析をしている中で、スポーツ栄養士になりたくて管理栄養士を目指したんだということに気付き、そこからスポーツ栄養に携われるように行動をし始めました。

管理栄養士としての実績を積むために、病院栄養士として働くと良いという周囲のアドバイスから、病院を中心にたくさん採用試験を受けたのですが、納得いくところから内定をいただくことができず、結局3カ月ほど就職浪人をし、6月に病院への就職を決めました。
病院ではすぐに栄養指導の仕事に携わることになりました。最初は決まっていることに沿って進めていたのですが、病院は「自分なりにやってみて」と任せてくれる病院だったので、自分でいろいろ調べたり、さまざまなケースにあたったりするうちに、教科書に書いてあることは理想の形ではあるものの、人によってはそうとも限らないこともあり、個人に合わせて進めていくことが重要なんだなと実地で学んでいきました。

カレー屋さんの店長から実業団の管理栄養士に

その後病院を辞めることになり、時期を同じくして、ご縁があり、1年間昼間だけカレー屋さんの店長をすることになりました。快く、引き受けたのですが、料理の仕込みだけでなく、メンバーの教育をしたり、メニューや看板を作ったり、いろいろな業務が回ってくる状態に。いい経験をさせていただいたのですが、少し忙しくなり過ぎてしまい、スポーツ栄養から遠ざかっていることに不安を感じるようになりました。
そんな中、実業団の陸上部の立ち上げに当たる専属栄養士の募集の話をいただき、念願のスポーツ栄養に携わる仕事に就けることになりました。
朝晩二食、月曜日から土曜日まで陸上長距離選手の栄養面を考え、食事作りをする仕事です。初めてコアなスポーツの現場で栄養士として仕事をさせていただいた経験は、自分の欠点や勉強不足を痛感したり、栄養士として以外にも、人として成長させていただける大きな経験の場となりました。

まだまだ知識の幅を広げていきたい

陸上部実業団を退職し、フリーランスとして独立をしました。独立してからは、誰かに自分の欠点を注意してもらったり、怒られたりすることがほとんどないため、独立前に様々な社会経験ができたことはとてもよかったと思います。独立後は、自分の軸とするものが段々と明確になってきて、責任は伴いますが、自分のやりたいと思う仕事を選択できる自由さを得ることができました。

ちなみに今、英語の勉強に力を入れたいと思っています。スポーツ栄養はオーストラリアやヨーロッパを中心に、海外がとても進んでいます。海外の論文が読めないと、知識の幅が狭くなってしまうんです。医学系の論文も読んでいきたいですし、加えて、今所属している団体では、定期的にトレーナーの教育のためのキャンプがあるのですが、海外から先生がやって来る中、英語でのコミュニケ―ションができないと、とてももったいないことになります。英語力を磨いていきたいですね。

また、栄養学に止まらず、生理学など周辺の勉強も必要だなと日々実感しています。断片的な知識をつぎはぎで使うのではなく、いろいろな分野の知識を幅広く持っていきたいです。

最後に管理栄養士を目指す学生さんに一言

私は今までの経験してきたことすべてが無駄なことはなく、自分にとって必要な経験だったと感じています。就職先によっては、最初は不本意なこともあるかもしれませんが、その場所でやれることをやりきることが大切だと思います。そうすればおのずと次の道が開けてくると信じて頑張ってほしいです。また、管理栄養士は、学校で勉強できることは基礎の基礎しかなく、現場で使えることは、現場でしか学べないので、社会に出てからは常に情報をアップデートしていくように心がけています。