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- レシピ
- 2024.08.27
レシピの材料表とは?気を付けるポイント
レシピ開発のお仕事をしている私から、誰が読んでも伝わるレシピの書き方を全3回に分けてお届けしている本シリーズ。第2回の本コラムでは、見やすくて伝わりやすい材料表の書き方をお届けします。
材料表の表記ルール
材料表とは、そのレシピで使用される材料が記載されているもので、レシピの土台を築いています。材料表の内容が間違えていると、料理の目指す味にたどり着くことができません。材料表のわかりやすい書き方を、ポイントに分けて解説します。
▶材料を書く順番
①主材料②副材料③調味料④トッピングが一般的です。③と④は内容が伝わりやすければ逆でも問題ありません。作り方の順番と連動して書くと読みやすいです。
▶材料の名称
材料は省略して書いてしまうと正しく伝わらないことがあるため、材料表では正しい名称を書きます。肉類などは使用するものによって仕上がりが変わるため、部位名や切り方まで記載することが大切です。例えば、「牛肉」ではなく「牛もも薄切り肉」、「鶏肉」ではなく「鶏もも肉(皮なし)」のように書きます。また、一般的によく使われている呼び方が商品名の場合があります。商品名はそのまま書くのではなく、一般的な名称に書き換えましょう。例えば、「シーチキン」は「ツナ」、「万能ねぎ」は「小ねぎ」「細ねぎ」が一般名称です。
▶合わせ調味料などはまとめる
同時に使ったり混ぜ合わせたりする調味料は、材料の前に記号付けて記載します。記号は★、●などが使われることが多いですが、まとめたい材料が複数ある場合は、A,B,Cなど英語を用いると分かりやすくなります。
▶下ごしらえの書き方
材料表は材料のみを書く場合と、下ごしらえの内容まで一緒に書く場合があります。下ごしらえの内容が多すぎて材料表が読みにくくなってしまう場合は、下ごしらえを作り方のはじめに書きます。レシピを書くスペースや量によって書き方を選びましょう。
【例】
材料のみの場合:「○○・・・1個」「△△・・・10g」
下ごしらえ込みの場合:「○○(半分に切る)・・・1個」「△△(みじん切り)・・・10g」
g表記はなるべく避ける
一般家庭向けのレシピでは、材料の分量を記載するときにg表記のみで書いてしまうと計量が必要になってしまいます。読み手に対して複雑なレシピという印象を与えてしまうため、避けることが望ましいです。
基本的には個数や本数、食材によって束、株、枚などで記載します。
使用量が比較的多く重量を細かく指定する必要がなければ、袋、パックなどで表すとよいでしょう。売られている食材や商品によって重量が異なることがあるため、「1袋(約200g)」のように、おおよその重量を書き添えると親切です。
調味料もg表記ではなく、大さじ、小さじに換算して記載します。水や酒などで多い量を使用する場合は、mlや㏄のどちらかで統一しましょう。
「適量・適宜」と「ひとつまみ・少々」の使い分け
調味料の分量でよく使われるのが、「適量」と「適宜」
。「適量」は適度なちょうどよい量、「適宜」はその都度合わせてよいと思う量で、場合によってはなくてもよいという意味で分かれます。レシピでは「適量」という表現が使われることが多いです。
また、似たような意味合いを持つ表現として、「ひとつまみ」と「少々」があります。一般的に「ひとつまみ」は、親指・人差し指・中指の3本でつまんだ量で、小さじ1/5程度です。「少々」は親指・人差し指の2本でつまんだ分量で、小さじ1/8程度です。
計量スプーンで量るよりも少ない量を使う際に使われますが、意味が異なるので目安を覚えて使い分けましょう。
気をつけるポイント
材料表では基本的には日本語で記載し、ひらがな、カタカナなどは統一します。
魚介類は鮭など一般的に知られているものに関しては漢字を使用しますが、それ以外はひらがな、カタカナのどちらかに統一しましょう。
重量に使用する単位は、g、kg、ml、℃などが使用されることが多いです。カタカナでも良いですが、こちらもレシピ全体で統一することが見やすく書くポイントです。
まとめ
今回のコラムでは、レシピの中でも重要な「材料表」の書き方についてお伝えしました。ポイントをおさえながら是非書いてみてください。
次回は「作り方の書き方」を詳しく解説します。お楽しみに!
参考文献
レシピ校閲者の会:「おいしさを伝える レシピの書き方Handbook」 、辰巳出版株式会社、(2017)
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みんなのコメント( 1 )
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- Eatreat 編集部
- 120日前
レシピ作成などで幅広く活躍されている管理栄養士の佐藤里帆さんに、レシピにおける材料表について解説していただきました!
"レシピの書き方"のバックナンバー
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WRITER
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佐藤 里帆
医療系食品メーカーにて病院や高齢者施設、薬局に向けて商品提案、栄養情報の提供、勉強会講師など担当。 パーソナルジム会社に転職し、ダイエット向けの食品事業の立ち上げメンバーとして、商品開発に従事。レシピ作成や食品工場との連携作業、商品撮影ディレクションなどを行いながら管理栄養士目線からのSNS運用サポートなどを行う。 現在はフリーランスとして、レシピ作成や企業様の商品開発サポート、フードコーディネーター業務、EC支援業務など幅広く活動しています。 いつかは地元の北海道のような地方を食で活性化するような仕事がしたいと活動中です!
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