COLUMN

管理栄養士・栄養士は、食や栄養の分野で病院や高齢者施設、学校、保育園、行政、食品メーカーなどさまざまな職場で活躍しています。職場によって仕事内容や求められることが異なるのも、この資格の面白いところです。
この連載では、さまざまな職場で働いている管理栄養士・栄養士の方に経歴や仕事内容、仕事のやりがいについて紹介します。
今回は、企業で特定保健指導事業をご担当されている管理栄養士の方にお話をお伺いしました。

大学卒業後から今の仕事について

大学卒業後は医療法人に就職し、病院や透析センター、介護福祉施設など複数の施設で食事提供や栄養指導業務に携わりました。
その後、ヘルスケア事業を展開する企業へ転職。現在に至るまで、特定保健指導事業を中心に活動しています。
ライフワークバランスが取りやすく在宅勤務が可能なこともあり、転職後から数年は病院で非常勤として栄養指導や厨房業務を兼業していました。現在は本業の傍らダイエットをはじめとした栄養相談、コラムや記事の執筆、チャット機能を用いた栄養サポート、レシピ開発などを行っています。

今の仕事についたきっかけ

現職の特定保健指導事業に従事した一番のきっかけは、前職で勤務する中で一次予防関心が高まったことです。
以前の職場では、施設の特性上患者さんの治癒ではなく、疾病の進展防止や円滑な治療をサポートすることが栄養管理の目的となっていました。
そのため、患者さんから「もっと食事に気を使っていたら……」「もう以前の健康な身体には戻れない……」といった後ろ向きのお声をいただく機会も多く、病気になる前の段階から予防や健康増進に貢献していきたいと感じるようになりました。
そして、方向性に悩んでいた際に相談をさせていただいた先輩からのご縁により、選考の機会に恵まれました。

仕事内容と1日の流れ

特定保健指導の指導員として面談やメール支援業務のほか、指導員の育成やマネジメント、健康経営プロジェクトへの参加など、幅広く業務を行っています。
日によって面談時刻や件数などが異なるため、一日のスケジュールは流動的です。

8:30 :出勤、指導員の勤務状況や面談スケジュールの確認、メール返信対応など
9:30 :朝礼
10:00 :特定保健指導面談業務
11:00 :面談の実施記録の作成、面談準備やメール支援など
11:30 :指導員とのミーティング、質問対応など
12:30 :特定保健指導面談業務
13:30 :面談の実施記録の作成、休憩
14:30 :社内ミーティング
15:30 :指導員マネジメント業務
16:30 :計画書、報告書作成
17:00 :研修資料作成
17:30 :担当対象者へのメール返信
18:00 :終業

仕事のやりがい

特定保健指導の指導員の仕事では、プログラム期間中、一貫して同じ対象者様を担当できるため、お身体の変化や取り組みの頑張り状況を継続して感じられます。また、対象者様から「参加して良かった」という嬉しいお声を直接いただけることが、やりがいに繋がっています。
最近では、指導員の育成やサポートといったマネジメント業務にも携わるようになりました。管理栄養士としてこれまで実施してこなかった業務だったため不安が大きかったものの、自身の経験をもとに伝えたことが、多くの指導員の悩みの解消に繋がったり、指導員の先にいる対象者様の健康増進へ広がり繋がっていく過程をみることができ、非常にやりがいに感じています。

特定保健指導の業務はどんな人に向いている?

特定保健指導の業務は企業によって支援内容(対面もしくはオンライン、三ヶ月継続の支援もしくは電話支援だけなど)や研修制度が多種多様なので、得意不得意や経験などに合わせて選択しやすく、どなたでも挑戦しやすいと思います。
健診数値の改善を目的として行動変容をサポートする業務のため、対象者様の立場になってお話を聞くことが大切だと感じています。また、モチベーションを維持できるお声がけや食事計画を提案できるようなコミュニケーション能力を磨いていけると、楽しさややりがいも感じやすいと思います。




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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      35日前

      企業で特定保健指導事業をご担当されている管理栄養士の方に仕事内容ややりがいなどについてお話をお伺いいたしました。

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Eatreat 編集部

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