今回は、栄養士の資格を取得後、フリーランスとして薬膳料理講座の開催やレシピ開発、食事指導まで、幅広く活躍している小林友紀さんにお話をうかがいました。ポジティブで明るく、積極的な姿勢がとても清々しい小林さん。フリーランスで活動したい栄養士さんにとって、有益なお話を聞くことができました。
栄養士は小学生の時からの夢
小さい頃からお料理に興味があって、最初は調理師を目指していたのですが、母から、「栄養士もいいんじゃないの?」と言われ、よくわからないながらも「じゃあ栄養士になる!」と栄養士になることを決めました。私の母は外で食べた料理を再現できるくらいとても料理上手なのですが、この母の影響はとても大きいですね。ちなみに小学6年生の時の卒業文集には、大きくなったら栄養士になると書いてあります。
フリーランスの栄養士になったワケ
栄養士の資格を取ったものの、当時は就職難なこともあって、栄養士の仕事の募集がほとんどなく、栄養士として働くのが難しい状況でした。そのため、食品メーカーで昆布や佃煮の販売の仕事をしたり、ホテルで調理の仕事をしたり、ありとあらゆる飲食店で働きました。
ステーキハウスで調理の仕事をしていた時には、お客さんと直接対面しながら料理ができ、おいしそうに召し上がっている様子なども間近で見られるので、とてもやりがいを感じました。
そんな風にして得たいろいろな経験は、今の活動にとても活きていて、どんな現場に行っても、特に詳しい説明などがなくてもその場の様子に応じて、臨機応変に動くことができるようになりました。何かあった時の助っ人として、周囲には重宝されています(笑)。
自分で薬膳の人体実験!?
私はパンが大好きだったので、それが高じてパン屋さんでも働き始めたのですが、がんばり過ぎたのか、体調不良に悩むようになりました。そこで、以前から勉強していた薬膳料理で、自分の体を実験台にして体質改善をしていったらどうかと思い立ち、薬膳の取り組みを本格的にスタートさせました。
最近は世間の薬膳への興味も認知度もかなり上がってきていますが、当時は薬膳についての情報は少なく、周囲も「薬膳? 何それ?」という感じでした。そんな中、ありとあらゆる方法を使って情報を取り寄せ、真剣に学びました。体調不良は改善され、人体実験は無事成功しました(笑)。
今では薬膳講座をするまでになりましたが、薬膳の素晴らしさをもっと多くの人に広めていけたらと思っています。
趣味は弁当作りとフラダンスと山椒
この春、子供が高校に入学し3年間のお弁当生活に突入しました。せっかくなので、このお弁当作りを楽しもうと思い、毎回写真を撮って自分のブログにレシピ付きでアップしています。3年間続けて、忙しい主婦でも30分でできる薬膳弁当のレシピ本を出したいと思っています。
食べ物以外の点からも健康には気を付けていて、フラダンスを続けています。フラダンスを始めてもう10年以上になります。フラダンスはインナーマッスルや骨盤底筋が鍛えられ、女性の若さを保つ上でとてもいいダンスです。先生は82歳ですが、とても元気で全国を回っておられるような方です。
また、普段から「マイ山椒」を持ち歩く程の山椒好きです。フラダンスのレッスン仲間とポットラックパーティー(料理を持ち寄るお食事会)をよくするのですが、今度、四川の山椒を使った薬膳麻婆豆腐を実演で作る予定になっていて、今からとても張り切っています。山椒の持つさわやかなしびれ感を、もっと多くの人に味わってもらいたいと思い、将来、山椒の専門店を出す計画も進んでいます。
栄養士を目指す人に向けて一言
自分で自分の可能性にふたをしてしまう若い栄養士をたまに見かけますが、もったいないことだと思います。自分で切り開いていくのは大変なこともありますが、型にはまらず、自分のやりたいことを、自分の好きなようにやっていくのもいいものです。自分からどんどん飛び込んでいく勇気を持って、楽しんでいきましょう。
私は子供が2歳の時にパン教室に通っていたのですが、ある時、子供を教室に連れて行ったところ、子供がいると気が散るので連れて来ないでほしいと注意されたことがありました。その時のことがあり、自分でパン教室を開いた時には、子供OKの教室にしました。子連れのママさんには大変喜ばれました。このように、辛かった経験はすべてバネにして成長の糧にしてきました。「なかったら自分で作る!」これですね。
目標とする栄養士像
私は、食に関わることで困った時の駆け込み寺のような存在になれたらと思っています。以前、とあるコンサルの方に、私の強みは引き出しの多さだと言われ、なるほどと思いました。今後もどんどん引き出しを増やしていきたいと考えています。