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    2024.12.30
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  • たんぱく質の食事摂取基準の考え方について

    現在、短期大学の栄養士養成課程で学んでおります。
    栄養管理計画における、たんぱく質の摂取基準の考え方について、質問します。
    例えば、20代の健康な女性、推定エネルギー必要量を1900kcalの場合、たんぱく質の推奨量は「50g」です。一方、目標量は「13〜20%エネルギー」で、61〜95gとなります。
    推奨量と目標量とでだいぶ違いがあるのですが、どちらを使うべきでしょうか。大学では目標量に基づき献立を作成しましたが、推奨量で献立を作るときもあるのでしょうか。考え方や判断基準がありましたら教えていただけたらと思います。

    なお、臨床栄養学のテキストでは、肥満症での食事療法に関して、1つのテキストではたんぱく質は「1.0〜1.2g/kg標準体重」、もう1つのテキストでは「13〜20%エネルギー」と書かれております。

イートリスタの考え(1

    • 沼倉 真宝子
    • 沼倉 真宝子
      14日前

      たんぱく質の設定に対するご質問ありがとうございます。
      栄養価の設定には、いくつかの方法があったり、基準値の幅が広かったり悩みますよね。

      まず、「対象者はどんな人か」をしっかり確認します。
      年齢は?活動量は?運動してる?腎機能は?食欲は?食習慣は?と対象者の背景を考えます。

      推奨量は標準体型の標準的な活動量の場合の数値なので、献立を作る際には目標量のPFC比から、
      栄養管理計画書を作成する時はガイドラインからたんぱく質を導き出すことが多いと思います。

      大学の授業では1日分の献立作成かもしれませんが、給食現場では1ヶ月の平均として栄養価をとらえます。
      そのため、毎日ピッタリたんぱく質15%の献立を作るのは現実的ではありません。
      目標量の範囲の中で作成できていれば問題無いので、数値の範囲が設けられています。
      更に、給食の対象者の特性は目標量の下限なのか中央なのか上限なのかを確認します。
      例えば、運動量が多い集団のための給食なら上限に近い値を目安とし、
      反対に活動量が低い集団であれば下限を目安とします。

      質問者さんが例に挙げて下さった数値を使うならば、
      『20代の健康な女性、推定エネルギー必要量を1900kcalの場合、たんぱく質の推奨量は「50g」です。一方、目標量は「13〜20%エネルギー」で、61〜95g』
      こちらでしたら、運動習慣がある場合は85~95g程度、運動する習慣が無く活動量が低いデスクワークの方の社食であれば65~75gの設定のイメージです。
      集団内でバラつきがあるのであれば、中央値にするのが妥当です。

      そして、献立を作成後に対象者が喫食してその設定に無理は無かったか、健康支援に寄与できているかなどを
      振り返って検証します。それを踏まえて次回の献立を改善していくのが献立作成の流れとなります。
      イメージはつかめましたでしょうか?

      献立は立てる人によって大きく変化します。
      絶対的な正解が無いので、いかに妥当か、いかに論理的かを考えて作成し、そして振り返って調整する作業が非常に大切です。献立は作った分だけ技術が向上していきますので、どんどん場数を増やして行ってくださいね。
      追加のご質問がございましたら、お待ちしています!

      拍手 5

    • 沼倉 真宝子
    • 沼倉 真宝子
      12日前

      少しでもお役に立てたのであれば嬉しいです。
      学校での学びに疑問点を感じ、ご質問いただけたこと大変良いことですね!現場に出ても今のように、「なんで?」を大切にしてください!
      「今までこうだったから」「こういう決まりだから」ではなく、「こういう理由でこうなった」という所まで理解して仕事ができると、素晴らしい栄養士さんになると思います。
      学校の先生のおっしゃる「柔軟に臨機応変に対応している」はまさにその通りです。栄養士の数だけ、そして給食施設の数だけやり方が違います。
      やり方・方法はそれぞれですが、『喫食者の健康のために、治療のために』をいつまでも大切にできる栄養士さんになってください♪

      拍手 2

    • 14日前

      詳しく丁寧なご回答をありがとうございます。
      推奨量が「標準体型の標準的な活動量の場合の数値」であることを知り、根拠が分かり大変勉強になりました。
      また、「給食現場では1ヶ月の平均として栄養価をとらえている」ということも知り、現場でどのように献立を考えているかを知ることができました。
      学校では、「現場では柔軟に臨機応変に対応している」と説明を受けるものの、疑問点ばかり浮かんでしまいましたが、沼倉様のご回答により、栄養価の考え方、献立の立て方など、具体的なイメージをつかむことができました。ありがとうございます。

      拍手 3

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