COLUMN

低カロリーなら、健康にいい?

健康食やヘルシーな食事と聞くと、どのようなものを思いうかべるでしょう? 一般的に多い回答が、「カロリーが低いもの」、「太りにくいもの」など、ダイエットや生活習慣病を意識したものです。しかし、カロリーゼロの水でも太る人がいる、というお話を前回した通り、痩せるためには「カロリーだけに注目してもダメ」と言えます。また、ノンシュガー、ノンカロリー等の飲み物を飲むと余計に太るという話も出ているようです。このような飲料については、人工甘味料の摂り過ぎの影響も気になります。

低カロリーな食生活が逆効果にも?

低カロリーに意識を向けすぎると、體(からだ)の熱が不足し、冷えが進んで代謝が下がってしまいます。その結果、脂肪を体に溜め込みやすくなり、かえって肥満の原因にもなります。そのため、食事はカロリーだけで選ばず、栄養の詰まったものを選びましょう。

中医学には、「足りない時には補い、あまっている時には追い出す」という原則があります。現代は栄養失調による肥満が多いので、過剰な栄養素と不足している栄養素をしっかり判断する必要があります。

すぐに実践できる食事改善

バランスよく栄養を摂るため、薬膳学では、五行学説で五臓に作用する5色(青赤黄白黒)を料理でそろえることを提案しています。韓国ののり巻きやビビンバもこの5色を取り入れた薬膳のいい例です。ちなみに青色はほうれん草などの野菜の緑色を指します。何だか赤色が足りないなと思えばトマトや赤ピーマンを添えてみる。黒が無いなとなれば海苔やしいたけを添えてみる。このようにまずは食材の見た目で5つの色をそろえてみてください。それだけでも偏りなく栄養のバランスを摂ることができます。

いまだに1日30品目にこだわる人もいますが、なかなか実践するのは困難です。また、特定の食品に依存する◯◯ダイエットや、特定の栄養素を摂らない◯◯制限ダイエットよりも、料理の彩りを気にするだけのほうが気軽にはじめられます。まずは気楽にいろんな色の食材を楽しんで食べることを心がけてください。

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WRITER

大倉 あやこ

中医学の本場中国、上海中医薬大学にて中医内科を専攻した後、現地の国立病院で糖尿病の外来の営養指導や現地在住の日本人に薬膳をレクチャー、ハーブティーブレンド開発・店舗経営などを経て、2014年に日本に帰国しました。 中医・薬膳の先生と聞くと少し別世界の人のように思われがちですが、厳しい事や細かい事はとても苦手な、美味しい物が大好きな酒のみ栄養士です。 「食」は「人を良くする」ものです。 研修医時代、「この人は食をきちんとしていたら病院に来なくても良かったのに」というような患者さんを沢山診てきた経験から、「病院に行かなくてすむ人を増やしたい」「病氣になっても回復が早まるように」と願い、【食医】」の道を選びました。 ぬる~い私でもできる薬膳ですから、きっと皆さまも楽しんで実践していけると信じて、誰よりも楽しんで活動・情報発信していきたいと思います。 薬膳を通じて沢山の人とご縁できる事を楽しみにしております。

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