薬膳には食べてはいけないものはない
薬膳の考えにおいて「食べてはいけない」、「飲んではいけない」ものは基本的にはありません。何を食べても自由ですので、自分で考えて食べてください。
そんなことをいわれてしまうと、極端なメディアの情報に慣れてしまい「いいか?」、「悪いか?」の二択で考える習慣がついている人やカロリーの数値だけで食べる物を決めてきた人たちにとっては、何を判断基準にすればよいのか困ってしまうのではないでしょうか。そんな人たちにとって、薬膳の理論を身に付けていれば、何を食べればいいのかを判断する軸になります。
薬膳の理論で使う陰陽
陰陽学説とは、中国古代の哲学からうまれた思想の一つです。様々な考えがありますが、簡単にまとめると「この世の中に存在するすべてには対極する陰と陽の性質があり、さまざまな関係性のもとで存在している。」ということです。
陰:寒い・暗い・ 静止的・女性・お腹・地・臓・月など
陽:熱い・明るい・活動的・男性・背中・天・腑・太陽など
中医・薬膳で使うのは、おもに次の2つです。
陰⇒體を冷やす物や働き
陽⇒體を温める物や働き
食物の四性について
「陰の性質の食べ物・陽の性質の食べ物」という言葉を聞くことがあるかと思いますが、正式には中医・薬膳では「温性・熱性・涼性・寒性」と表現します。これを食べ物の「四性」といい、その食べ物が體(からだ)を温めるものか熱を冷ます物かという性質を示します。さらに、どちらにも偏らない平性もあり、一般的な食品のほとんどは平性といわれています。この温・熱・涼・寒の属性が陰(涼・寒)か陽(温・熱)か、ということです。
まずは體を温める、冷やすという概念を身に付けてください。コラムの中で、食べ物の四性などもどんどん紹介していきますので少しずつ慣れていってくださいね。
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