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- 歯科と栄養
- 2017.03.22
歯周病を防ぐ食生活とは
歯周病とはどんな病気なの?
歯周病とは、細菌の感染によって歯肉に炎症がおこる病気です。進行すると歯肉の腫れや出血だけでなく、歯を支える骨が溶け、歯が抜け落ちてしまいます。現在、日本の40代以上の方の8割以上が歯周病といわれています。
80歳になっても残っている自分の歯の平均本数は?
生涯にわたり、自分の歯を20本以上保つことによって、健全な咀嚼能力を維持し、健やかで楽しい生活をすごそうという8020運動が提唱・推進されています。80歳の歯の平均残存数は、日本では12本、スウェーデンでは25本です。日本はご存知のとおり、世界トップクラスの長寿国です。しかし、80歳前後の高齢者の残存歯数を見てみると、決して高い数値とは言えません。
歯周病が健康に与える影響
歯周病は口の中だけでなく、糖尿病・心臓疾患・脳血管疾患・肺炎・低体重児出産・骨粗鬆症などの病気にも影響があるといわれています。歯周病菌は、歯周病によって深くなった歯周ポケットから、歯肉の血管を通じて血液に流れ込んでいきます。また、歯周病菌と一緒に炎症物質(サイトカイン)も生体内に侵入します。これらが全身の組織や臓器に何らかの影響を与えると考えられています。
歯周病予防に役立つ栄養素と食品
歯茎や歯を支える骨を健康に維持するためには、さまざまな栄養素が必要です。そのため、まずはバランスのとれた食事を心掛けることが大切です。さらに、歯周病の予防に役立つ食品を意識して食事に取り入れ、体の中からも歯周病を防いでいきましょう。
歯や歯茎を強くする栄養素
・カルシウム(歯の原料となる栄養素)
☆牛乳、乳製品、小魚、干しひじき、小松菜など
・タンパク質(歯茎の原料となる栄養素)
☆魚、肉、卵、大豆・大豆製品など
・マグネシウム(歯を支える歯槽骨の構成成分でカルシウムの吸収を助ける)
☆大豆、アーモンド、海藻類、玄米など
・ビタミンA(エナメル質を作る栄養素)
☆卵、うなぎ、チーズ、緑黄色野菜など
・ビタミンC(象牙質や歯茎の形成に必要な栄養素)
☆野菜類、果物類、いも類など
・食物繊維(歯垢を除去する働き)
☆おから・ごぼう・豆類・きのこ類・海藻類など
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みんなのコメント( 2 )
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- 弦間 知子
- 2736日前
菅原 房子様 コメント頂きありがとうごさいます。80歳で20本残せるように歯科検診は定期的に通っていただきたいですね。
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- ID: 324
- 2760日前
スェーデンの80歳の平均残存数の多さというか、日本の少なさに驚きました。
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WRITER
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弦間 知子
「お口の健康」は「全身の健康」に欠かせません。歯科に関することは学校でほとんど学んできませんでしたが、口腔内のケアの重要性を日々実感しています。 「お口の健康」がどうしてそんなに大切なのか、また管理栄養士としてなにができるのか、をお伝えしていけたらと思っています。
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