COLUMN

今もなお新型コロナウイルスの流行が続いており、管理栄養士の現場も今までにない対応をとらざる負えない状況が続いております。
管理栄養士が働く現場で今求められていることは何か、どういった対応が必要とされているのか、コロナ禍における管理栄養士のお仕事の現場を紹介するシリーズです。
今回はイートリスタの石井玲子さんのお仕事の現場をご紹介します。



2020年2月。私たちは、翌3月の謝恩会シーズンを迎える準備を進めていました。
そこへ新型コロナウイルスの流行が広がり、盛況する3月は、稀に見る閑散期へ。
4月、緊急事態宣言を受け、休業体制となりました。

専門職による感染予防対策

ホテルには、衛生管理部門の専門職が常駐しています。
お客さまをお迎えするにあたって、どのような配慮が必要か、指示を仰ぎます。

従業員の体調管理の徹底
[手洗い・うがい][手指消毒][マスク着用]といった通常の衛生管理に加え、 [従業員出入口での検温][体調管理チェック表の改訂][自宅待機者の定期的な体調報告][外食・会食の自粛][他道府県への移動自粛]が実施されました。

お客さまの意向を汲んだ対応

結婚式
サービススタッフは、マスク着用が基本です。
しかし、お客さまによっては「写真に残ってしまうからマスクは外して」とおっしゃることもあり、その場合は柔軟な対応をとるようにしています。
披露宴会場の規模や、一卓に着く人数といったソーシャルディスタンスのとり方もお客さまの意向を汲みます。
通常200名程度での披露宴が多いのですが、コロナ禍では親族のみで会食をされる傾向があります。

レストラン
お食事の際は、皆さまマスクを外されますので、マスクケースをご用意しています。
スタッフはマスク、フェイスシールドを着用してサービスします。
立食スタイルのレストランでは、お客さまがお料理を選ぶ楽しみをそのままに、お料理の個々盛り、お客さまの利用するトングは手袋を着用して1人1本、1回使い切りとし、洗浄頻度を上げる工夫をしています。

新メニューの開発 〜免疫力アップ〜

休業体制の間、再開時にどのようなお料理でお客さまをお迎えするか、新メニューの開発が行われました。
私は管理栄養士として食材の選定に携わり、料理長とディスカッションをしながら、メニューを開発していきます。

今回の新メニューのテーマは「免疫力アップ」です。
腸活、乳酸菌、薬膳、植物性食材といった小テーマで、お客さまの体調に合わせたメニューを選んでいただけます。
どんなに良いとされる栄養素も、腸が健康でないと効果が期待できません。また、日々の食事を簡単に済ませている方ほど、免疫力アップが必要です。
当ホテルへ来館された方には、非日常の空間と健康的なお料理を召し上がっていただきながら、リフレッシュしていただきたいと思っています。

お客さまファースト

外出ですら緊張感が漂う中で、ホテルに来館してくださったお客さまには、楽しい時間を過ごしていただきたいものです。
「新しい生活様式」もさまざまな考え方があり、私たちはその最大限の準備をしてお客さまをお迎えしております。当ホテルでどう過ごしたいか、お客さまの意向に沿った対応が求められています。
また、コロナ禍で時間の流れがスローダウンした今こそ、心身共に身体を整えるチャンスだと私は考えています。おもてなしするお料理は、調理師の作る質の高いもので、かつ健康的です。
これからも「美味しい」と言っていただける健康的なお料理で、お客さまをお迎えしたいと思っております。

 

   

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
      1414日前

      新型コロナウイルスの流行が続く中、管理栄養士・栄養士の現場ではどのような変化があったのか、必要な対応とは、求められることとは、そんなコロナ禍における管理栄養士の仕事現場を紹介するシリーズコラムです。

WRITER

石井 玲子

アレルギー、ヴィーガン・ベジタリアン、グルテンフリー、ロカボ、宗教etc… 海外からの観光客も含め、食事に様々な要望を持つ方が多くいます。その方々へのメニュー提案を行っています。

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