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前回は、令和4年度診療報酬改定に伴い栄養に関する内容で新設された算定項目についてまとめました。本稿では、既存の算定項目から見直しをされた内容について整理していきます。

【見直し】早期栄養介入管理加算

【ポイント】
患者の早期離床及び在宅復帰を推進する観点から、早期栄養介入管理加算の対象となる治療室及び評価の在り方を見直し、経腸栄養等の開始の有無に応じた評価となり算定の幅が広がりました。これにより、絶食でも必要な栄養管理が行えている場合は算定が可能になりました。

【加算点数】
・入室後早期から必要な栄養管理を行った場合250点
・入室後早期から経腸栄養等を開始した場合400点
 ※入院7日以内に経腸栄養等を開始した場合はその時点から算定可

【算定要件など】
・入室した日から起算して7日を限度として加算できる。
・入院栄養食事指導料は別に算定できない。
・当該治療室内に集中治療室における栄養管理に関する十分な経験を有する専任の管理栄養士が配置されていること。
・当該治療室において早期から栄養管理を行うのに十分な体制(院内において栄養管理にかかわる手順書を作成し、それに沿って必要な措置が実施)が整備されていること。
・対象となる治療室の拡大がされた。

【見直し】外来栄養食事指導料 (情報通信機器の活用)

【ポイント】
前回の改定で、情報通信機器を活用した栄養食事指導の算定が可能となりましたが、初回の指導や当該保険医療機関の管理栄養士以外による指導では対面が求められていました。情報通信機器が身近になったことや、栄養食事指導の実施を更に推進する観点から、初回から情報通信機器等を用いた場合の栄養食事指導についての評価が見直されました。今回の改定では初回指導から、そして医療機関に所属する管理栄養士以外の指導でも算定可能になりました。

【加算点数】
1 外来栄養食事指導1(当該保険医療機関の管理栄養士による指導の場合)

  初回 2回目以降
対面 260点 200点
情報通信機器 235点 180点

2 外来栄養食事指導2(当該保険医療機関以外の管理栄養士による指導の場合)

  初回 2回目以降
対面 250点 190点
情報通信機器 225点 170点

【算定要件など】
・外来栄養食事指導料1及び2について、初回から情報通信機器等を用いた場合の栄養食事指導について算定可能。
・その他の算定要件(指導時間や指導回数)に変更なし。

【見直し】摂食嚥下機能回復体制加算

【ポイント】
前回の改定にて「経口摂取回復促進加算」から見直しをされ、「摂食嚥下支援加算」へと名称の変更と、摂食嚥下障害のある患者に対して多職種がチームとなって介入するような内容に変更がありました。今回の改定でも名称の変更と共に、経口摂取回復にかかわる効果的な取り組みを更に推進する観点や、人員配置・施設基準が変更され、体制に関して柔軟な内容となりました。

【加算点数】
・摂食嚥下機能回復体制加算1 210点
・摂食嚥下機能回復体制加算2 190点
・摂食嚥下機能回復体制加算3 120点
※施設基準により1~3のいずれかを算定

【算定要件など】
・内視鏡下機能検査又は嚥下造影検査の結果に基づいて、摂食嚥下支援計画書を作成する。
・内視鏡下機能検査又は嚥下造影検査を実施(月1回以上)する。
・検査結果などを踏まえカンファレンスを実施(週1回以上)する。
・カンファレンスの結果に基づき摂食嚥下支援計画書の見直し、嚥下調整食の見直し等を実施する。
・週に1回算定可能。
 ※施設基準・人員配置に関しては本稿では割愛。詳細は厚生労働省による告示をご覧ください

【見直し】 褥瘡対策の実施内容の明確化

【ポイント】
褥瘡対策がどのように実施されているかを明確化し、それを記録に残すよう求められるようになりました。

【算定項目】
・入院基本料及び特定入院料に係る褥瘡対策
 ※実施していないと、上記項目を算定できない

【算定要件など】
・褥瘡対策の診療計画における薬学的管理に関する事項及び栄養管理に関する事項については、当該患者の状態に応じて薬剤師又は管理栄養士と連携して、当該事項を記載すること。
・栄養管理に関する事項については、栄養管理計画書をもって記載を省略することができる。ただし、この場合は、当該栄養管理計画書において、体重減少、浮腫等の有無等の褥瘡対策に必要な事項を記載していること。
 ※日本栄養士会にて書式のフォーマット例を確認することができます

【見直し】栄養サポートチーム加算

【ポイント】
診療報酬の改定ごとに、栄養サポートチーム加算が算定できる病棟が拡充していますが、今回の改定においても障害者施設等入院基本料を算定している病棟にて、算定できるようになりました。さまざまな病棟で、栄養サポートチームの介入が評価されています。

【加算点数】
・栄養サポートチーム加算200点

【算定要件など】
・算定対象となる入院料として、障害者施設等入院基本料※を追加する。
・障害者施設等入院基本料を算定している病棟においては月1回までの算定とする。
・その他の項目に関しては既存の算定要件と変更なし。
 ※障害者施設等入院基本料を算定している施設…肢体不自由のある児(者)、重症心身障害、重度の障害者(重度の意識障害者を含む)、筋ジストロフィー患者、難病患者等が多い施設

給食管理を重点にやっていた管理栄養士の時代が進み、病棟訪問型が主流となってきた現代。これからは、病棟常駐型を目指しタイムリーに多職種協同で専門性の高い栄養管理を実施することが求められています。

参考文献
・厚生労働省:「令和4年度診療報酬改定について」、厚生労働省、
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00037.html、(閲覧日:2022年7月1日)

関連コラム
「令和4年度診療報酬改定のポイント~前編~」
「現場の管理栄養士がわかりやすく解説! 平成30年度診療報酬改定①」

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みんなのコメント( 1

    • Eatreat 編集部
    • Eatreat 編集部
      36日前

      沼倉真宝子さんに解説していただく「令和4年度の診療報酬改定について 栄養に関する項目のポイント」の第2回目です!

      拍手 0

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WRITER

令和4年度診療報酬改定のポイント ~後編~

沼倉 真宝子

1日3回、1年で1000回 ​栄養を摂るためだけの食事ではなく、 日常に密着した食生活を一緒に考える。 気軽に相談できる場を創りたい。 個々に合ったライフステージごとの食事を提案します。 病院管理栄養士として14年勤務。総合病院、療養型病院、リハビリ病院、産婦人科病院を経験し様々なライフステージや臨床栄養を習得。栄養管理、給食管理、NST、在宅訪問栄養指導など幅広い業務経験あり。延べ3000人以上の栄養指導を実施。また、離乳食教室を8年主宰し、3500人以上の離乳食相談の経験を積む。指導媒体の作成や、セミナー講師も経験豊富。 プライベートでは、小学生の姉妹を育てるママ。自身の手術、癌で家族を亡くしたこともあり、「育児・闘病・自宅で家族を看る」当事者として同じ目線で、頑張り過ぎない方法を一緒に考えられるのではないか…。そんな経験から、疾病・介護予防や日常の食生活を共に考えられる仕事がしたいと思い2021年夏 独立。 フリーランスとして食育、栄養相談、在宅訪問、料理教室、SNS発信、地域活動など身近な栄養士として活動しています。 気軽に相談ができる場を創り、充実した食生活を送るお手伝いをします。 肩の力を抜きながら、無理なく続けられる食事。一緒に考えてみませんか?

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