今回は、業務用厨房機器メーカーのショールームに勤務されている福島工業株式会社の田本景子さんにお話をうかがいました。
きっかけは高校野球 厨房機器メーカーで働くまで
高校野球のファンで、漠然とスポーツに関わる仕事をしたいなあと思っていた高校時代に、オリンピック選手に栄養指導をした方の本を読み、スポーツ栄養に興味を持ったのが栄養士を目指したきっかけでした。栄養士の資格を取得して大学を卒業しましたが、スポーツ栄養の分野は狭き門。直接職業に結びつけることは難しかったため、新卒では大手コンビニチェーンに就職しました。その後、現在の福島工業に転職。福島工業は、業務用冷蔵庫やショーケース、厨房機器のメーカーです。食や調理にまつわる仕事がしたいとの思いから、厨房機器が面白そう! と感じたのが決め手でした。
現在は厨房機器を導入したい方向けに、「冷却」を中心とした機器やその活用方法についての提案を行っています。機器メーカーが集まる展示会や、自社のセミナーなどで調理実演を交えながら説明をしたり、お客様の厨房に実際に伺って機器の使い方をアドバイスしたりというのが主な業務です。
いろいろな方に出会えることが仕事の糧に
セミナーなどには食にまつわるあらゆる職業の方が参加されます。シェフやパティシエの方、惣菜コーナーをお持ちのスーパーの経営者の方など、普段なかなか知り合う機会のない方とたくさん出会える、お話ができるというのがこの仕事をしていてもっともやりがいを感じるところかもしれません。
また、私は社会人になってから管理栄養士の資格を取得しました。その後は、病院や施設の管理栄養士の方と新調理法システムの立ち上げのプロジェクトに参加するなど、機器に対する知識と管理栄養士の知見の両方を活かしてお客様の役に立てた時も、非常に達成感がありました。
強化したい力
現在強化したいと考えているのは以下の4つの力です。
1つめは、デモンストレーションをする上で欠かせない調理技術です。プロの方も参加される場ですので、常に技術向上を目指して勉強を欠かさないようにしています。お仕事でご一緒した方に教えていただくことも多くあります。
2つめは、管理職としてマネジメントの力です。同じ業務をしているチームが大阪と東京それぞれにあるため、円滑にコミュニケーションをとりつつリーダーシップをもってまとめていけるようになりたいと思っています。
3つめは、食品冷凍技士や介護食士など、業務の上で必要な資格取得です。こういった資格があることでお客様にもより説得力をもってお話をすることができますし、自分の自信にもつながります。
4つめは、プレゼンテーションスキルです。私はもともと人前で話したりするのがそれほど得意ではなかったのですが、習うより慣れろでやってきました。これからもしっかり勉強していきたいと考えています。
管理栄養士・栄養士を目指す方へ
私も仕事を通してたくさんの栄養士・管理栄養士の方にお会いしてきましたが、思っていたよりずっと活躍の場は多いと感じます。興味を持ったことにはどんどん取り組んでいってほしいですね。
また、業種や職業を超えたネットワークを広げていくといろいろなアイディアも生まれます。ぜひ学生時代から幅広い視野を持って人と人とのつながりを作っていってほしいと思います。
※福島工業の製品については『最新 急速冷却機器! ブラストチラーのココがすごい!』で紹介しています。