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今回は、乳業メーカーで活躍中の管理栄養士、下村比呂美さんにお話をうかがいました。

栄養士を目指したきっかけは…

小学生の頃、近所で開催された料理講習会に参加したときの講師の栄養士さんが素敵な方で、栄養士に憧れるきっかけになりました。高校生で進路を決定するにあたり、そのようなことを思い出しました。このころは、とりあえず何か資格が取ればいいなという程度の軽い気持ちだったような気がします。
進学は、金沢女子短期大学(現:金沢学院短期大学)の食物栄養専攻の道に進みました。短大では専門性のある講義、実習を通して幅広く学びました。二年次には、小学校と病院での実地研修をしました。調理場では調理師さんの手際の良さに驚きました。大量のナスに切り目を入れたり、セロリを繊維に沿って細かく切ったり、大量の食材をこなすということを体験しました。栄養指導時には実習生全員で白衣を着て病室まわりをして、後に患者さんから大勢で来たのでびっくりしたというクレームがあったということで注意を受けたこともありました。学校では教えて貰えないことをたくさん学べました。
海外研修では、英国のB&Bに滞在して、ファミリーの方から英国の食文化について学びました。“フィッシュアンドチップス”など伝統の食事を毎日振る舞って頂いたお礼に学生たちで日本食を作って召し上がって頂いたりもしました。伝統あるホテルでは“アフタヌーンティー”で作法や器に対する心配りを教わりました。他国の食文化を身近に体験したことは、現在のレシピ作りにも大変役立っています。

栄養士として就職

短大卒業後は、社会福祉法人で給食業務を担当し、一日三食の食事について、献立作成、栄養価計算、発注、調理補助など、仕事はなかなかハードで、発注をし忘れているというシチュエーションの夢をよく見ました。施設の理事長からは、「みんなのお母さん」と言われていました。出産を前に退職しましたが、いろいろな研修会にも参加させていただき、実践で学べた4年間でした。(結果的に管理栄養士国家試験の受験資格も得られていました。)子育て中は近所の飲食店でパートをしていましたが、この時期に調理師免許を取得しました。

再就職後一念発起し、管理栄養士国家試験にチャレンジ

現在は、株式会社ホリ乳業で、品質管理室長として品質管理業務、社員教育など。食品安全チームメンバーとしての業務を担当しています。株式会社ホリ乳業は、昨年ISO22000 を取得し、現在はFSSC22000取得に向けて取り組みを進めています。
会社が国際認証を取得する上で、法令順守やラベル管理の業務を担当するようになり、食品表示に関して触れることが多くなりました。中級食品表示診断士を取得し、お客様からの問い合わせに関して回答することも多いです。もともと品質管理で採用となりましたので、管理栄養士免許を求められていたわけではないのですが、今後業務に奥行きを求める可能性の一助になればと一念発起して、管理栄養士国家試験にチャレンジし取得しました(平成20年)。
牛乳と和食を組み合わせた減塩をコンセプトにした乳和食に出会い、乳和食の普及活動や地域の発酵食を扱うメーカーが取り組んでいる発酵食を盛り上げる活動にも参画しています。

管理栄養士になった後に感じたこととは?

栄養士になる前のイメージは、栄養指導や講習会講師などをする職業という感じでした。なったあとは、やはりいつも新しい情報を得るために勉強が欠かせないといことがわかりました。どの職業もそうなのかもしれませんが、国民を取り巻く食事環境は多岐に渡り、栄養指導には横断的に行うものと、オーダーメイド性が要求されるものがあります。どちらの場合も流行りだけではない基本と、飽きさせない新鮮さが必要です。そして、自らの業務に管理栄養士としての知識をどう活かすかを考えることも重要です。

管理栄養士としてのやりがい

これまで経験した職業は、どれも食に関係することばかり。今後も食を生業として生涯を送りたいと考えています。会社内の食品安全チームの業務には、管理栄養士の資格が活かせることが多いです。
最近は、アレルギー対策も消費者の命を守る大切な業務。大切な栄養素も人によっては害をもたらすものになってしまいます。対象者でないと理解しにくいものですので、従事者への教育が重要になります。また食品ラベル業務も資格が活かせるものです。
そして、ホリ乳業の製品の食べ方提案も進めていきたいです。レシピ作成なども日々の業務の合間をぬって取り組んでいます。できあがったレシピ等の情報発信は、ホリ乳業のFacebookでも配信しています。Facebookを担当しているので、外部の方からは、広報を担当している従業員と勘違いされていることもあります。
普段は、品質管理室内でシャーレに出てきた菌のコロニーをつついたりしている地味な仕事が中心ですが、企業展示などで商品のアピールをするのも得意です。現在私の娘も管理栄養士養成校に通っています。将来、どのような管理栄養士になるのか、非常に楽しみです。

将来の目標、はまっている趣味

牛乳は飲み物、ヨーグルトはデザート。日本ではまだまだこのような位置づけであると思います。酪農先進国のようにもっとお料理に牛乳・乳製品を取り入れる提案を通して、酪農業を応援し、牛乳、乳製品をサルコペニアやロコモ予防のアイテムとして提案できる管理栄養士として活動したいと考えています。
よく趣味があった方がいいと言われますが、私の場合は忙しくて趣味ができない時期があるとそれがかえって逆効果になるので、決まった趣味はもたずに、気になることをやるというスタンスです。最近は、コスメやファッションの話で年頃の娘たちと盛り上がることが多く、休日は一緒にショッピングをするのも楽しみの一つです。ショッピングついでに、パンやチーズ、調味料やオイルなど目新しいものがないかも興味があるのでゆっくり見たりもします。また日常で思いついたレシピについて試作するということもやっています。

最後に管理栄養士・栄養士を目指す人に向けて一言

無駄なことはなにもありません。大変なことも経験の積み重ねです。後に活きてくるので安心して取り組んでいってほしいと思います。
人生100年時代と言われる今は、健康に過ごせる時間を長くすることが課題です。
どの分野の栄養士・管理栄養士であっても、国民の健康維持、増進に寄与する中で日々の業務を重ねていきましょう。栄養士は、多分野で活躍できる専門職です。病院等給食施設で、管理栄養士・栄養士の必置が定められているのと同様に、食品関連事業者でも必置が定められる時代になると、食環境はさらに向上するのにな、と思っています。

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みんなのコメント( 2

    • 下村 比呂美
    • 下村 比呂美
      7日前

      菅原房子様
      下村比呂美です。
      コメントありがとうございます😊
      会社の商品を使った食べ方提案をいろいろ発信したりしています。商品開発にはまだ一歩手前なのですが、情報がありましたらまた発信していきたいと思っております。

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乳業メーカーで食品安全チームメンバーとして活躍中の管理栄養士 下村比呂美さん

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