今回は、食品原料・医薬品原料・化学原料製品や試薬を研究・製造・販売するバイオメーカーで管理栄養士として働く佐藤奈都子さんにお話をうかがいました。
栄養士を目指したきっかけ
小さな頃から身体が弱く入院をしたりする中で、人の健康に関わる仕事がしたいと漠然と思っていました。また、昔からもっていた自立していくために何か資格は身に付けたいという思いと、食への興味から管理栄養士を目指しました。大学では調理科学を学ぶ研究室に所属。おばあちゃんの知恵のようなものが、実は科学的に証明できるということを学び、研究職に対する興味が湧いて、地元岡山の研究開発型食品素材メーカーの林原に就職しました。
会社での仕事内容
林原は、多機能糖質"トレハ®"をはじめ、水溶性食物繊維、特定保健用食品向けの素材を中心として製造販売する食品原材料メーカーです。
私は食品素材統括部に所属しており、弊社食品素材のアプリケーション開発やお客様への提案活動といった業務を行っています。
入社してからは主力製品である多機能糖質"トレハ®"のアプリケーション開発が中心でした。大学で学んだ内容は調理科学であったため、開発業務に非常に役立ちました。試作の中で様々な食品にトレハを使ってみて、甘さをつけるだけではなくおいしさを保ったり、食感を変えたり、糖質の使い方を工夫することでさまざまな課題が解決できることを学びました。こういった糖の奥深さやトレハの良さを伝えたいと奮闘する日々でした。
そんな時、嚥下食の第一人者である金谷先生とお仕事をさせていただく機会に恵まれ、高齢化社会が進む時代の流れとして、嚥下食や施設食といった分野への開発が増えてきました。昔考えていた「人の健康に携わる仕事がしたい」という気持ちを思い出し、現在は管理栄養士という資格を活かして開発業務を行っています。
管理栄養士の仕事にやりがいを感じる時
仕事でやりがいを感じるのは、やはりお客さまにフィットした提案ができた時です。お客様は皆様「おいしいものを提供したい!」という熱い思いを持たれており、そのような方々と一緒にお仕事できるのは私自身勉強になりますし、トレハ®が少しでも皆様のお役に立てることが嬉しいです。
林原の素材には人の健康に貢献できる素材がたくさんあります。トレハ®に関しても、食品の品質保持に関してだけでなく、最近は生理機能についても研究が進んでおり、血糖値の上昇・下降が緩やかでインスリン刺激性が低い傾向がある糖質だということがわかってきました。糖質は今悪者にされがちですが、食品のおいしさと健康の両面をサポートできる素材もあるんだということを皆様にしっかり伝えていきたいですね。
最近の一押しは水溶性食物繊維のイソマルトデキストリン。糖尿病予防の観点からも食後の血糖を抑えることは求められていますが、水溶性食物繊維は食事と一緒に摂取することもよいと言われています。糖質のメーカーとして水溶性食物繊維と併せてのご提案もしていきたいです。
今後の目標
栄養学は日々進歩しているんだなと感じています。日々いろいろなことに興味を持って、アンテナを張り勉強していきたいと思ってます。