COLUMN

「薬膳」とは何か?

「薬膳」は栄養士さんをはじめ、食の世界に携わる方には特に関心の高い分野ではないでしょうか。以前に比べ、日本でも薬膳のお店や薬膳を教える教室なども増えてきましたが、まだ一般には正しく理解されていないのが現状です。

・生薬を使った料理

・身体(からだ)にいいけど、美味しくない

・ 特別な食材を使わないといけない

・ 敷居が高く日常的な料理ではない

「薬膳」と聞くと、このようなイメージを持つ方が多いかも知れません。ですが、これらは薬膳ではないのです。「薬膳」は、昔から語り継がれてきた教えや、日常でおこる現象を、長い歴史を通して体系化した中医学(中国伝統医学)の理論に基づいて作られた食事のことを指します。

クコの実や珍しい生薬を使っていても、中医学の理論から外れている場合は、薬膳と呼ぶことはできません。単なる生薬を使った料理ということになります。また、薬膳は食事ですから、おいしさも大切な要素となります。治療のためのお薬なら、まずくても耐えられますが、薬膳はあくまで食事という側面があることを忘れてはいけません。

※今後、私の記事の連載において「漢方」という表現を使う時もありまずが、漢方は日本独自のもので、薬膳を含む中国伝統医学の考えは「中医学」と言います。

次回は、薬膳の基本である「中医学」についてご説明します。

 

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WRITER

大倉 あやこ

中医学の本場中国、上海中医薬大学にて中医内科を専攻した後、現地の国立病院で糖尿病の外来の営養指導や現地在住の日本人に薬膳をレクチャー、ハーブティーブレンド開発・店舗経営などを経て、2014年に日本に帰国しました。 中医・薬膳の先生と聞くと少し別世界の人のように思われがちですが、厳しい事や細かい事はとても苦手な、美味しい物が大好きな酒のみ栄養士です。 「食」は「人を良くする」ものです。 研修医時代、「この人は食をきちんとしていたら病院に来なくても良かったのに」というような患者さんを沢山診てきた経験から、「病院に行かなくてすむ人を増やしたい」「病氣になっても回復が早まるように」と願い、【食医】」の道を選びました。 ぬる~い私でもできる薬膳ですから、きっと皆さまも楽しんで実践していけると信じて、誰よりも楽しんで活動・情報発信していきたいと思います。 薬膳を通じて沢山の人とご縁できる事を楽しみにしております。

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