COLUMN

監査の連載を始めるにあたり

本連載は、新任の栄養士さんでも当日にうろたえることなく監査に臨む心構えができるようにするというコンセプトに基づくコラムです。 不明点につきましては、随時コメントをいただけますとうれしいです。少しでも皆さんのお手伝いができ、参考にしていただければ幸いです。

事前の準備が肝心!

まず、監査を受けるにあたり、事前に管轄保健所より当日に用意しておく書類についての資料が届きます。当院の地域の管轄保健所から届く書類については、栄養科に関する帳票類は“食事箋、給食日誌、食事提供業務委託(契約書、標準作業書、業務案内書)”が挙げられています。
また、“その他”として「上記以外の書類等の提出を求める場合もございます」との一文があります。”その他“の書類には院内約束食事箋、細菌検査の実施について、栄養科内のマニュアルなどが含まれており、監査の際に提示して、質問を受けることなります。そのため、これら帳票類についても事前に揃えておく必要があります。
初めてですととても大変そうに見えますが、不安にならずに読み進めてもらえたらと思います。今後、複数回に分け、準備が必要な帳票類についての詳細のご説明をお届けいたします!

帳簿や項目別のポイントについて

衛生管理関係、給食管理関係、栄養管理関係、その他に分けてそれぞれの帳票について、どのような項目が必要か、誰の確認印が必要かがポイントとなりますので、各帳票毎に要点をご説明します。

【衛生管理関係】
衛生・給食関係の監査では、大量調理施設衛生管理マニュアルに則り、安全な給食が提供されているかが判断されます。よって、帳票類についても、上記マニュアルを基に帳票を作成し、記録がされていれば問題ありません。

・給食従事者の衛生管理点検表
  対象:厨房作業員
  記録のタイミング:厨房作業前
  項目:嘔吐、下痢、発熱の有無(本人・家族)、化膿創の有無、手指の衛生状況、着衣の衛生状況、身だしなみ、手洗いについて、マスクの着用、履物は衛生区域毎に変えているかなど
  確認印:厨房責任者(毎日)、病院栄養士(月毎)

・細菌検査報告書
  対象:病院栄養士、厨房全作業員
  頻度:月1回
  項目:赤痢、サルモネラ菌、ビブリオ、大腸菌0-157、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、可能であればノロウイルスなど

・衛生事項記録簿
  対象:厨房作業員
  頻度:毎日
  項目:厨房内・食品庫内の温度・湿度、冷蔵庫・冷凍庫内の温度、水質検査(色、濁り、臭い、異物、残留塩素濃度の測定値)など
  確認印:厨房責任者(毎月)、病院栄養士(月毎)

・調理施設の点検表
  対象:厨房作業員
  頻度:毎日、1か月毎、3か月毎
  項目:<毎日>ねずみや昆虫の侵入が防止できる設備になっているか、清掃の有無、部外者の施設への侵入有無や不要なものが厨房内にないか、換気管理、手洗い設備は整っているかなど
     <1か月毎>巡回点検し、ねずみや昆虫の発生がなかったか、害虫駆除の実施有無、手洗い設備や履物が正しく設置されているか、シンクの設置状況、器具・容器が衛生的に保管出来る設備が整っているか、便所専用の履物や手洗い設備があるか、清掃の有無など
     <3か月毎>厨房は不潔な場所から完全に区別されているか、厨房の床面は排水が容易に行える構造になっているか、便所や更衣室は食品を取り扱う場所と区分されているかなど
  確認印:厨房責任者(月毎)、病院栄養士(月毎)

 

次回に続きます。

【参考文献】
大量調理施設衛生管理マニュアル 厚生労働省
www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500.../0000168026.pdf

みんなのコメント( 4

    • 横原 夢見
      2401日前

      田中様
      コメントありがとうございます。
      どうぞご活用ください。

    • ID: 75
      2408日前

      これは役に立ちすぎる!

    • 横原 夢見
      2412日前

      賀茂様
      コメント頂きありがとうございます。
      地域差はあると思いますが、お役に立てれば光栄です。

    • ID: 313
      2418日前

      これはかなりありがたい情報です!!!
      友人にシェアさせていただきます!

WRITER

横原 夢見

病院勤務を経て、現在はフリーランスとして専門学校の非常勤講師、コラム執筆、地域活動などを行っています。

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