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食品を安全に保存するには

食品の保存状態に問題があれば、いくら微生物の対策をしても、保存中に微生物が増殖する可能性があります。食品の特性にあわせた保存方法について解説していきます。

室温での調理済み食品の保存は微生物にとって増殖しやすい温度条件になり、急速に微生物が増える可能性があります。食品は室温に長時間放置せずにできるだけ早く食べるようにし、保存する場合はすばやく冷まして冷蔵保存する必要があります。また、食べる時まで60℃以上で保存することによっても微生物の増殖を抑えることが可能です。残った食品を温め直す場合は、全体をムラなく加熱する必要があります。味噌汁やスープ、シチューやカレーなどはよく混ぜ、沸騰するまで加熱しましょう。

大きな容器では温度の低下に長時間かかってしまうため、小分けにすると早く冷却できます。ただし、低温でも増殖する菌があることを忘れてはいけません。少しでも怪しいと思ったら、食べずに捨てる判断をする必要があります。

生鮮食品の保存方法

生鮮食品などの温度管理が必要な食品は買い物の最後に購入し、冷蔵庫もしくは冷凍庫へできるだけ早く保管することが大切です。また、新鮮な物を購入し、消費期限を確認して使用しましょう。持ち帰る時は、加熱済みの食品やそのまま食べる食品に生の肉や魚の汁が付かないようにビニールやラップなどで包みましょう。冷蔵、冷凍庫内は清潔に保ち、冷蔵庫は5~10℃以下、冷凍庫は-15℃以下を維持するため、庫内の詰めすぎに注意し、扉の開け閉めは最小限にしましょう。

魚は新鮮なものを選んで購入し、内臓がついているものは真水で洗浄したら、速やかに内臓を取り除き冷蔵保存します。魚の内臓には寄生虫がいる可能性があるため、生で食べてはいけません。「寄生虫」のアニサキス幼虫を見つけた場合は除去します。アニサキスが死ぬには、70度以上で加熱するか、-20℃で24時間以上冷凍が必要です。家庭用の冷凍庫では−20度以下に冷却できない場合があるため、注意が必要です。また冷凍魚は室温での自然解凍は菌が増殖しやすくなるため、冷蔵庫や電子レンジで解凍しましょう。肉も同様に新鮮なものを購入し、購入後できるだけ早く冷蔵庫へ保管しましょう。

消費期限と賞味期限の違いは?

食品の期限表示には、消費期限と賞味期限があり、塩や砂糖など一部の商品を除いて、どちらかの期限を表示する義務があります。どちらの期限表示も科学的・合理的根拠をもとに「開封前の状態で、定められた方法により保存した場合」において設定されていますので、開封後の期限を保証したものではありません。

■消費期限:腐敗、変敗その他の品質(状態)の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日
■賞味期限:期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日

※ 消費期限のすぎたものは安全性に欠けるため廃棄となりますが、賞味期限は期限をすぎた食品であっても、必ずしもすぐに食べられなくなるわけではありません。また、賞味期限後、開封後の食品は消費者自身が、食べられるかどうか判断する必要があります。微生物はいたるところにいますから、開封した食品は、表示期限に関わらず、早めに食べましょう。製造日から賞味期限までの期間が3ヶ月を超えるものについては、「年月」での表示が認められています

食品の保存方法

消費・賞味期限は保存方法に記載されている方法で保存した場合の期限です。保存が表示された条件と異なる場合は、未開封、期限前であっても品質が劣化する恐れがあり、期限と同様、保存方法の確認が大切です。これらの保存方法は、消費者にわかりやすいように「●℃以下で保存」等、具体的に表示されています。保存方法の表示がない場合は、常温での保存が可能です。常温以外の留意事項があわせてある場合は、「直射日光を避け室温で保管」などと表示されます。「開封後は●℃以下で保管してください。」と記載がある場合は、開封後の保存温度や方法を守りましょう。

食品の特性に合わせ適切に保存し、食品の表示期限を守ることは食中毒の予防では大変重要です。しかし、無駄な食品廃棄をしないためにも購入前に在庫を確認し必要なものだけ買うように努めましょう。

消費者庁 加工食品の表示に関する共通Q&A(消費期限又は賞味期限について)http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin377.pdf
厚生労働省 大量調理施設衛生管理マニュアルhttp://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000130495.pdf
厚生労働省HP家庭でできる食中毒予防の6つのポイント- 家庭で行うHACCP(宇宙食から生まれた衛生管理) http://www1.mhlw.go.jp/houdou/0903/h0331-1.html

 

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WRITER

中本 絵里

日本糖尿病療養指導士・シニア野菜ソムリエ

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