日本全国で食材宅配サービスを提供するヨシケイ開発株式会社で活躍中の管理栄養士の金子さんに、管理栄養士になったきっかけ、現在の活動や今後の展望などについて、お話をうかがいました。
栄養学に留まらず幅広い知識を吸収した大学時代
元々食べることが好きだったこともあり、大学進学の時に食に携わる仕事に就きたい、この方向に進めたらいいな、という思いから栄養学科に進学することに決めました。その当時は栄養士、管理栄養士の違いがわからず、漠然と国家資格である管理栄養士の資格を取ることができる大学に進みました。
大学での勉強で驚いたのは、学ぶ範囲が調理・加工だけではなく、公衆衛生学や解剖生理学などとても幅広かったことです。大学では栄養学に留まらない知識をたくさん身に付けることができました。
就職は病院へ…大量調理を学んだ毎日
就職時は商品開発の仕事に進みたいと考えましたが、エステ関係もサプリメントなどを扱うことで面白そうで興味がありました。ただ、地元ではあまり食品開発やサプリメント開発に関われる企業がなかったため、次に興味のあった病院に就職することになりました。病院での業務は、管理栄養士の先輩が1名、ほかに栄養士さん、調理師さんが勤務する直営の給食現場でのお仕事でした。
日々の業務は大量調理が主だったこともあり体力面でハードな毎日でしたが、調理現場のメンバーに恵まれたこともあり、アドバイスをもらいながらこなすことができました。
2年目を迎えた時、1年目と同じ調理現場で働くことになり、このままでは今後のキャリアパスを見通すことができないなど葛藤し、やはり当初の希望だった商品開発をやってみたいという思いから企業への転職に踏み切りました。
ヨシケイでのメニュー開発のお仕事
その企業が、現在の職場であるヨシケイ開発株式会社です。当初の仕事はメニュー開発が中心でしたが、ここでは前職で身に付けた大量調理の段取りをはじめとする、効率的に調理を行うための知識が役に立つことも多々ありました。また、多くの新商品開発に携わることができ、自分で開発したメニューが50万世帯にもおよぶ全国の利用者様のもとに届き、その方々の食生活のサポートができることは大きなやりがいにつながりました。
一般的なメニュー開発だけでなく、時短メニュー開発やカタログの紙面構成、原稿チェックの業務なども行っていました。
現在はより良いものができるようにチーム全体のマネジメントを行うようになり、1日分のメニュー構成や1週間のメニュー構成を考えるメニュー管理、チームマネジメント、他部署との連携が業務の中心となっています。管理という責任感のある立場での日々の業務は大変ですが、ドライブやゴルフなどアクティブに外に出て休日を過ごしストレス発散を行っています。
今後の目標
今後は、マーケティングの分野を強化し客観的なデータをもとにトレンドをしっかりつかんだメニュー開発を行いたいです。栄養士の職域が非常に広いので、栄養学だけでなくマーケティングのような知識も身につけ、様々な方向から物事を考えることができる栄養士になることが目標です。
管理栄養士を目指している方へ
栄養士は幅広いところで活躍の場があるので、自分自身のやりたいことに対して積極的に行動をしてほしいと思います。病院を退職するときも、調理師さんからは若いからやりたいことをやった方が良いと背中を押されました。あとは、世の中の変化が速いので栄養士がそこに取り残されないように様々な情報をキャッチしていってほしいですね。
最後に一言
今、料理ができない人が増えています。親から料理を教えてもらう前に自立し、基本的な調理方法がわからないことも要因のひとつではないかと思います。ヨシケイでの一番の魅力は日本中に料理を届けることができ、その方々の食生活をサポートできること。料理が苦手な人にもヨシケイをきっかけに興味を持ってもらい、カット野菜、惣菜などを使っても栄養はこうすればとれるんだよ、といったことを伝えて行きたいですね。そして栄養士としてお勧めできるメニューなど日本中に広めていきたいです。