毎日仕事や家事などに追われていると、食事を抜いてしまうことや不規則になることがありますよね。私たちの体は食べ物からエネルギーをチャージして細胞が作られ、動くことができています。そのため、食べ物が疎かになると質の良い細胞が作られず、パワーダウンしやすくなります。冬は風邪やウイルス性の病気が気になる時期ですから、健康のためにはパワーみなぎる体を維持したいですよね。
「食事」を3回食べる意味とは?
人間の体は残念ながらまとめ食いができないため、1日3回に分けて栄養素を補給する必要があります。また、食事を食べることは体温を維持・上昇させるという大切な役割があります。体温が高くなると免疫細胞の働きが活発になり、免疫力が高まるといわれています。
体温を上げる食べ物は、エネルギー源として働くごはん、パン、麺類などの炭水化物です。ですから、毎食炭水化物を土台に食事をとることがとても大切です。
日本人の食事摂取基準2020年版にてエネルギー産生バランスの比率をみると、炭水化物は50~65%、たんぱく質は13~20%、脂質は20~30%となっており、炭水化物を土台に設定されています。炭水化物はエネルギー源としてどんどん体で消費されていくため、1日3回に分けてこまめに補給する必要があるのです。
1日の中で一番大切な食事とは?
1日の中で一番大切な食事は朝ごはんです。朝は体温が一番低いため、活動する前に体温を上げる必要があります。朝は時間がないから、ダイエット中だからなど、いろいろな理由で欠食していると、体温を上げることができません。
そして、夜ごはんを食べてから朝ごはんまでの時間が一番長く食事の間隔が開くため、エネルギーが枯渇しています。朝ごはんでしっかりエネルギーを補給しましょう。
女性に多いスムージーやヨーグルト、フルーツだけの朝ごはんのスタイルでは、体温がしっかり上がりません。そして、冷たい食べ物は逆に体を冷やしてしまうこともあるので、朝食には炭水化物を土台に取り入れることが大切です。
体を作る良質なたんぱく質も必要
体の細胞や臓器、皮膚、髪の毛まで、すべてたんぱく質で作られています。菓子パンだけ、カップラーメンだけなど偏った食事では、たんぱく質が不足し、バランスが悪い状態です。また、たんぱく質が不足すると新陳代謝が低下し、体力や免疫力の低下につながります。
肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などの良質なたんぱく質を、食事に必ず加えるようにしましょう。
ビタミンCを積極的に補給
ビタミンCは外から侵入してきた病原体から体を守り、免疫と大きく関わるビタミンです。ビタミンCは体内に貯蔵しておくことができないため、食事や間食からこまめに摂取することがおすすめです。
ビタミンCは赤ピーマン、菜の花、ブロッコリー、芽キャベツ、じゃがいも、レモン、ゆず、いちごなど植物性食品に多く含まれています。熱に弱く水に溶けやすいため、長く茹ですぎたり、流水にさらし過ぎないようにしましょう。じゃがいもなどのいも類に含まれているビタミンCは、いも類に含まれるでんぷんによって守られているため、加熱に強い特徴があります。
また、間食には生レモンを浮かべたレモンティーやレモネード、ゆず茶などを取り入れると、こまめにビタミンCが補給しやすくなります。
炭水化物である主食を土台に主菜や副菜を取り入れ、バランスの整った食事を意識することが、パワーみなぎる体を作る秘訣になるのです。
参考文献
・飯田薫子、寺本あい:「一生役立つ きちんとわかる栄養学」 西東社(2019)
・中嶋洋子:「栄養の教科書」新星出版社(2016)
・足立香代子:「栄養学の基本がまるごとわかる事典」(2015)
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