病気知らずの健康な身体を作るためには、「免疫力」が大きく関わっています。免疫力を高めるためには、普段からバランスのよい食事が大切ですが、特別難しく考える必要はありません。免疫力を高めるためにポイントとなる食材を、食事にちょい足しするだけでも、食事のバランスはよくなります。そこで今回は、おすすめのちょい足し食材と、その食材を使ったレシピをご紹介します。
緑黄色野菜をちょい足し!
緑黄色野菜とは、人参や南瓜、ブロッコリー、パプリカなど「可食部100g中にカロテンを600μg以上含む野菜」と厚生労働省により定められています。カロテンには抗酸化作用があり、免疫力に大きく関わっています。また、同じく抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンEを多く含む緑黄色野菜もあります。このように、緑黄色野菜は免疫力と関係する栄養素を多く含んでいるので、積極的にとっていきたいですね。そこで、いつものサラダやスープ、味噌汁にちょい足しすると、手軽に取り入れることができますよ。
緑黄色野菜に含まれるβカロテンやビタミンEは、油脂と一緒にとると吸収率がよくなります。そこで、「鶏肉とブロッコリーのトマト煮」や「豚肉とパプリカのオイスター炒め」など、肉類と組み合わせるのもおすすめです。肉類と組み合わせることで、脂も一緒にとれ、さらに免疫細胞を作るために必要なたんぱく質も補えます。
今回は、緑黄色野菜と抗酸化作用のあるビタミンCやEが豊富な食材を使ったサラダのレシピをご紹介したいと思います。
南瓜とアーモンドのレモンサラダ
【材料:2人分】
・南瓜(冷凍)…200g
・アーモンドスライス…10g
・干しぶどう・・・10g
A)・レモン汁…小さじ1
・オリーブオイル(又はサラダ油)…小さじ2
・塩…小さじ1/8
・こしょう…少々
【作り方】
① 冷凍の南瓜を耐熱容器に入れてラップをかけ、600Wの電子レンジで2分~3分加熱する。つぶして、粗熱を取る。
② Aをあらかじめ混ぜ合わせて置く。
③ ①に②とアーモンドスライス、干しぶどうを加えて和える。
腸内環境が肝!
腸には免疫細胞が7割も集まっているといわれており、腸内環境を良好にしておくことは免疫力を高めるためにとても大切です。
腸内環境を整える食材には、味噌や納豆、酢、甘酒、ヨーグルトなどの発酵食品や、きのこ類、わかめ、根菜類などの食物繊維を多く含む食材、オリゴ糖などがあります。そこで、これらの食材を料理にちょい足ししたり、食事にプラスしてみましょう。
具体的には、ごはん食の場合は、ごはんを炊く際に食物繊維が豊富な押し麦を加える、納豆や味噌汁をプラスしたりすることがおすすめです。味噌汁には、ごぼうやキャベツ、きのこ類などの食物繊維が豊富な野菜を加えるとさらに良いですね。味噌汁を作ることが面倒なときは、即席の味噌汁でも良いですし、だし入り味噌に便利な乾燥わかめや切干大根を加えてお湯で溶いても良いでしょう。だし入り味噌がない場合は、味噌にかつお節を加えお湯で溶いて作ることもできます。
その他、酢の物や甘酢炒めといった酢を利用した料理をプラスする、砂糖の代わりに甘酒を使うのもおすすめです。
パン食の場合は、食物繊維が豊富な全粒粉パンに変える、ヨーグルトや酢を使ったマリネなどをプラスすると良いでしょう。
エネルギーの土台に欠かせない炭水化物
ごはん、パン、麺類などの炭水化物は主に熱を作り出し、体温の維持やエネルギー源として働きます。体温が高くなると免疫細胞の働きが活発になり、免疫力が高まるといわれています。
普段からおかず中心の食生活をしているという方は、炭水化物が不足し、栄養バランスが崩れている恐れがあります。また、体温をしっかり上げることができず、免疫力の低下につながりかねないので、ごはんやパン、麺などの主食をプラスした食事をとるようにしましょう。
このように、毎日の食事におすすめした食材をちょい足しすることで、食事のバランスが整い、結果免疫力を高めることにも大きく影響していくことでしょう。
参考文献
・香川明夫「七訂 食品成分表2020」女子栄養大学出版部(2020)
・中嶋洋子「栄養の教科書」新星出版社(2016)
・公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「免疫力を高める食事とは」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koureisha-shokuji/menekiryokuotakamerushokuji.html (2021.2.9)
関連コラム
寒い冬を健康的に乗り越えるための栄養素はコレ!
風邪に負けない強い体を作る食事のポイント
フリーランスの管理栄養士のお仕事~独立して働くということ~ -金子あきこさん