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厚生労働省は、女性のさらなる活躍が期待される建設業での母性健康管理の理解促進を目的に、『建設業における母性健康管理ガイドブック』とリーフレットを作成した。建設業で働く女性の母性健康管理の実情を示した上で、関係する法律や制度、建設現場で必要な設備などを掲載した。また、10社の取り組み事例も紹介している。厚労省では、「ガイドブック、リーフレットを活用して職場での母性健康管理の重要性を理解してもらい、必要な環境整備に取り組んでほしい」(雇用環境・均等局)と呼び掛けている。 ガイドブックなどは、厚労省が2017年度に実施した建設業の職場における母性健康管理のあり方に関する調査研究の成果となる。調査研究に当たり、日本建設業連合会と会員企業が協力した。 女性労働者が妊娠中や出産後も安心して働き続けられる職場環境をつくるためには、母性健康管理の制度化に加え、実際に現場で働く女性労働者や職場の上司が、母性健康管理措置を正しく理解することが不可欠となる。このための職場環境整備に役立つようガイドブックなどを作成した。ガイドブックは、▽建設業で働く女性の母性健康管理の実情▽妊娠・出産期に知っておくべき法律や制度▽医師などの指導事項を事業主に的確に伝えるための便利なツール▽現場の設備面における母性健康管理の配慮▽自社状況のチェック▽企業の取り組み事例の紹介--で構成。母性健康管理指導事項連絡カードなどを参考資料として収録した。 法律・制度では、妊娠中は高さ5m以上の高所作業などの一部業務が禁止されていることなどを紹介。労働基準法に基づく母性保護規定や男女雇用機会均等法に基づく母性健康管理措置などを載せた。また、建設現場などで必要な設備として、快適な女性専用トイレや給湯機能を持つ洗面所、横になって休める休憩室(更衣室)、女性用作業着とヘルメットを取り上げている。 事例では、大林組、奥村組、熊谷組、清水建設、大成建設、大成ロテック、ナカノフドー建設、日本道路、前田建設、三井住友建設の10社の取り組みを紹介。人事・労務管理担当者と女性労働者それぞれから聞き取った内容を取り組みのポイントとともに掲載した。 リーフレットは、「もっと女性が活躍できる建設業を目指して、働きながら安心して妊娠・出産できる職場づくり、進めてみませんか」をキャッチコピーに、ガイドブックの要約版となっている。
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