妊娠中の食生活 ①妊娠初期(0~15週)の栄養 はこちら
妊娠中の食生活 ③妊娠後期(28~39週)の栄養 はこちら
上手な体重コントロールがカギ
妊娠中期に入ると、妊娠中の食生活 ①妊娠初期(0~15週)の栄養 でお話したつわりの症状が落ち着き、体調が安定する時期に入ってきます。
ここで気を付けたいのが食べ過ぎです。
妊娠中は、赤ちゃん、胎盤、羊水などの分で体重は増えていきます。
しかし、食欲のままに食べてしまうと妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、皮下脂肪で産道が狭くなる、微弱陣痛になりやすいなどのリスクが高くなるということで、体重管理に厳しい病院も少なくありません。
しかし一方で最近では、低栄養状態の妊婦や低体重児で生まれてくる赤ちゃんが増えてきています。
急激な体重増加によるリスクを避けるために、適正な体重管理は必要かもしれませんが、体重増加を気にし、食事量を減らしたり、食事の内容が偏ったりして、赤ちゃんが育つために必要な栄養素が十分に摂れなくなるのは心配です。
妊娠前の体格を元に適正な体重増加の目安を考えて、出産まで上手に体重コントロールをしていきましょう。
妊娠期の適正体重増加量は、妊娠前のBMI(kg/m2)によって異なります。
BMIは次の計算式で算出します。
BMIの計算式
妊娠前の体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))=BMI
BMIごとの妊娠期の推奨体重増加量は、以下の通りです。
妊娠期の推奨体重増加量
BMIが、18.5未満は9~12kg、18.5以上~25未満は7~12kg、25以上は個別対応が目安となります。
妊娠中期の食生活のポイント
この時期の食生活のポイントは、以下の通りです。
・カロリーオーバーにならないように、糖分の多い果物や間食に気を付ける。
・赤ちゃんの体の基礎を作るたんぱく質、カルシウム、鉄、ビタミンを多く含む食材を積極的に摂る。
・お腹が大きくなるにつれて、腸が圧迫され便秘になりやすいので、乳製品や発酵食品、水溶性&不溶性の食物繊維を摂るようにし、腸内環境を整える。
・妊娠高血圧症候群や腎機能の低下を予防するため、塩分を控えめにする。
妊娠中期は、肉や魚、大豆・大豆製品などでたんぱく質を、食べ過ぎを防ぐために噛みごたえがある野菜を積極的に取り入れ、塩分を控えるために素材の味やだしのうま味、香辛料を活用し、薄味を心がけましょう。
参考文献
日本人の食事摂取基準 第一出版 2014
赤ちゃんすくすく時期別妊娠中の食事 笠井靖代・佐藤真之介 西東社 2016
妊娠中の食事と栄養 牧野直子・浦野晴美 学研 2011
厚生労働省 妊産婦のための食生活指針
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※2020.05.28 コラムを一部リライトしました。