赤ちゃんにとって初めての年末年始。クリスマスやお正月は赤ちゃんも一緒に楽しみたいと思う親御さんも多いと思います。そこで今回は、年末年始の離乳期の食事についてご紹介します。
年末年始の離乳食の進め方
年末年始は医療機関がお休みのところが多いため、この時期に5~6カ月を迎える赤ちゃんへの離乳食開始は避けましょう。離乳食を開始している赤ちゃんは、新しい食材にはチャレンジせず、これまで食べたことのあるものにしましょう。
また、年末年始は何かと忙しく、離乳食を丁寧に手作りしている時間もないかもしれません。年末年始になる前までに、手軽に利用できるベビーフードなどを試しておくと、お出かけ時や帰省の時に便利でよいでしょう。
クリスマス料理やおせちは取り分けできる?
赤ちゃんと一緒にハレの日のメニューを楽しみたい方は多いと思います。
一般的に、クリスマスメニューはローストチキンやグラタン、ポテトサラダなどの洋食系が多く、脂肪も多く含むため、消化機能が発達していない赤ちゃんには大人と同じメニューを食べさせることはできません。
お正月に食べるおせちは、日持ちなどの観点から濃い味付けをしたものや、普段口にしない変わった食材が多いため、そのまま取り分けてあげるのには不向きです。
どちらもそのまま取り分けることは難しいですが、以下のようなアレンジは可能です。
●クリスマスメニューのアレンジ例
【ローストチキン】
皮を外して、沸騰したお湯でゆがき、味を薄める。おかゆなどに混ぜて与える。(※離乳食中期ごろ~)
【ケーキ】
市販のものは避け、手作りにしましょう。スポンジケーキ部分は、サンドイッチ用の食パンを利用。ホイップクリームは、水切りヨーグルトで代用。いちごやみかんの缶詰などでデコレーションしたものを楽しみましょう。(※離乳食後期ごろ~)
●おせちのアレンジ例
【手作りおせち】
煮物は味を付ける前のものを取り分け、やわらかく煮て冷凍しておくとよいでしょう。
例えば、離乳食初期にはにんじんをすりつぶし、おかゆにのせて紅白なますのような見た目にしたり、さつまいもをつぶしてスープにし、栗きんとんをイメージさせるなど、離乳食もおせち風にアレンジして楽しまれるのもよいでしょう。
市販のおせちは濃い味付けのものが多く、はちみつを使用しているものもあるかもしれませんので、アレンジするのは避けましょう。
このように、大人と同じものを食べることは難しいため、食材の色(赤:にんじん、トマト、緑:ブロッコリー、ほうれん草、白:大根、おかゆ、黒:海苔、金:さつまいもなど)や盛り付けでハレの日メニューをアレンジしてみてはいかがでしょうか。
年越しそばはいつから?
そばを与える時期については明確に定められていませんが、1歳を過ぎた頃を目安にするのがよいと思います。離乳期の赤ちゃんには、うどんに紅いトッピング(トマトやにんじん)を添える「年明けうどん※」がおすすめです。年明けうどんは、純白で清楚なうどんを年の初めに食べることで、その年の人々の幸せを願うものです。家族みんなで手軽に元旦をお祝いしてみてはいかがでしょうか。
※香川の「さぬきうどん振興協議会」が提唱したのが始まりです。
まとめ
9カ月頃からつかまり立ちやつたい歩きをしだし、1歳くらいになると1、2歩歩く赤ちゃんもいるでしょう。少し目を離すとどんなものを口に運んでいるかわからなくなります。
ハレの日の席で、大人用に出されていた刺身やいくら、生ハム、チーズなどの生ものは、食物アレルギーの原因にもなることもあり注意が必要です。また、食中毒の危険もあり、赤ちゃんが食中毒になると大人より重症化することもあるため、赤ちゃんが触れる範囲の場所には、置かないようにすることが大切です。安心・安全な年末年始をお過ごしください。
参考文献
・本場さぬきうどん協同組合 年明けうどん普及委員会 さぬきうどん振興協議会:「年明けうどん」、http://www.toshiakeudon.jp
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