離乳食の進め方
離乳食作りにあたっては、月齢は目安にしながらも、咀嚼(そしゃく)の発達に合わせて、食材の形状を変えていく必要があります。今回は、月齢とともに咀嚼の発達も意識した離乳食の進め方をお話ししていきます。
★1回食
提供の仕方の例:保育園で午前中に1回
月齢目安:生後5、6ヵ月頃
食べ物の形状:ポタージュくらいの状態、半流動
食材:はじめはアレルギーの心配が少ないおかゆからはじめて、慣れてきたら野菜1品、2品、さらに慣れたら豆腐や白身魚、卵黄(固ゆで)と徐々に種類を増やしていきます。はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため満1歳までは使わないようにしてください。はじめての食材、主にたんぱく源となる食材で食物アレルギーを引き起こすおそれのある食品は、先に家庭で食べてみて体調に変化がないことを確認してから、保育園で使用していきます。
最初は離乳食を飲み込むことや舌ざわり、味に慣れることがおもな目的です。口の中に入ってきた食材を、舌を前後に動かして食べ物を口の奥に送るという練習をしていきます。最初は口を閉じず、口角から食材が流れ出てきてなかなかうまくできない日も多いですが、これからゆっくり練習していくので問題ありません。1ヵ月ほど続けて、舌の前後運動ができる日が増えてくるのを確認してください。
★2回食
提供の仕方の例:保育園で午前中に1回、お家で夜に1回
月齢目安:生後7,8ヵ月頃
食べ物の形状:豆腐くらいの固さ、半固形
増やす食材例:小麦(うどん、麩、パンがゆ用の食パン)、ひきわり納豆、鶏ささみ、全卵(固ゆで)
2回目の食事は少なめからはじめて、徐々に量を増やしていきましょう。そのままでは飲み込めない固さの食べ物を、舌を上あごに押し当ててつぶす練習をさせます。2ヵ月ほど続け、舌の上下運動ができる日が増えてくるのを確認してください。
★3回食
提供の仕方の例:お家で朝と夜、保育園で昼食に1回
{保育園で昼食1回}
月齢目安:生後9~11ヵ月頃
食べ物の形状:親指と人差し指でつぶせる固さ(バナナくらい)、固形
増やす食材例:豚肉(赤身)、赤身魚、ツナ缶、青魚(赤身魚に慣れてから)、火を通した調理用の牛乳
舌を上あごに押し当ててつぶせないものを、舌を左右に動かし歯茎(奥歯が生える部分)に送り、つぶす練習をさせます。「手づかみ食べ」をはじめるころで、口へ詰め込みすぎたり、食べこぼしたりしながら、一口で食べられる量を覚える練習もします。この時期の「手づかみ食べ」は摂食機能の発達の上で重要な役割を担っています。
前歯の上下2本が生えたら、形の崩れにくい食材(人参や大根など)でスティックを用意して、あたえます。前歯でかじり取ることによって、一口の量を学習させましょう。ご飯を小さなおにぎりにしたり、野菜類の切り方を大きめにするなどし、手づかみしやすい大きさにするなど調理を工夫しましょう。
★3回食+補食(おやつ)
提供の仕方の例:お家で朝と夜、保育園で昼食に1回と午前と午後に補食
月齢目安:生後12~18ヵ月頃
3食で足りなくなってきた頃(1回の食事でたくさんの量を食べられない為)
食べ物の形状:歯茎を使ってかみつぶせる固さ(肉団子くらい)
増やす食材例:牛乳、えび、かに
奥歯が生えはじめる子も出てくる時期ですが、上下の奥歯に隙間があり、まだかむ力は強くありません。引き続き、食べ物を舌で左右に送り、かみつぶす練習をさせます。
歯の生える時期や、咀嚼の発達は個人差が大きいので、詳しい保育士さんと相談しながら、あせらず離乳食を進めていきましょう。
(参考:授乳・離乳の支援ガイド http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17.pdf)
(参考:授乳・離乳の支援ガイド 2019年改訂版)
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※2020.05.31 授乳・離乳の支援ガイド改定(2019年)に伴い、コラムを一部リライトしました。