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赤ちゃんの離乳食

栄養士は、体の状況に応じて、献立や料理の提供を行っていく必要があります。しかし、対象が子どもの場合、体の状況に「成長」という要素が含まれるため、成人の場合とは違った難しさがあります。特に、乳幼児に提供する離乳食は、子どもの成長を理解せず、ただ、月齢が上がったからといって、離乳食の段階をアップしても、うまくいきません。

あくまで月齢は目安であり、赤ちゃんの成長に合わせて、食事の形態を変えていく必要があります。そんな難しさのある離乳食ですが、赤ちゃんがおいしそうにたくさん食べてくれたときには、よろこびもひとしおです。保育園で働く栄養士の方のため、今回は離乳食をテーマに、離乳食とはなんなのか、離乳食の必要性と開始時期についてお話したいと思います。

1.離乳食とは?

そもそも離乳とは、厚生労働省で以下のように説明されています。

“離乳とは、成長に伴い、母乳又は育児用ミルク等の乳汁だけでは不足してくるエネル ギーや栄養素を補完するために、乳汁から幼児食に移行する過程をいい、その時に与え られる食事を離乳食という。 この間に子どもの摂食機能は、乳汁を吸うことから、食物をかみつぶして飲み込むこ とへと発達する。摂取する食品の量や種類が徐々に増え、献立や調理の形態も変化して いく。また摂食行動は次第に自立へと向かっていく。 ”
(厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」抜粋)

離乳食は、この離乳の過程の食事形態であり、幼児食への移行とともに今後の食べることの基礎を作るものです。

“授乳期・離乳期には、安心と安らぎの中で母乳または育児用ミルクを飲み、離乳食を食べる経験を通して、食欲や食べる意欲という一生を通じての食べることの基礎を作ります。”
(厚生労働省 「楽しく食べる子どもに~食からはじまる健やかガイド~」抜粋)

2.離乳食の必要性

赤ちゃんは本能(哺乳反射)によって、母乳やミルクを飲むことができます。それに対して、食べるという行為は本能では行うことができません。そのため、赤ちゃんが食べ物を噛んで(咀嚼)飲み込めるようになるには、繰り返しの練習が必要となります。離乳食を食べるという経験は、赤ちゃんにとって食べることを学ぶという意味があるのです。

3.離乳食をはじめる時期

離乳食は、生後5、6か月ごろを目安に、次のような様子がみられたらはじめましょう。

 ①首のすわりがしっかりして寝返りができる
 ②5秒以上座れる
 ③食べ物に興味を示す
・大人が食べるところをじっと見る
・食べ物を見てよだれが出る
 ④スプーンなどを口に入れても舌で押し出すこと(哺乳反射)が少なくなる
 詳細は、厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド2019年改訂版」参照

今回は離乳食の必要性とはじめる時期についてお話ししましたが、次回は離乳食の食べさせ方についてお話をします。

 

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※2020.05.31 授乳・離乳の支援ガイド改定(2019年)に伴い、コラムを一部リライトしました。




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離乳食の必要性とはじめる時期

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