保育園で、栄養士が直接赤ちゃんに離乳食を食べさせる機会はほとんどありませんが、保育士がどのように与えているかを知ることは非常に重要です。そこで今回は、スプーンを使った離乳食の食べさせ方について、一例を紹介していきます。
離乳食をあたえるときの赤ちゃんの姿勢
はじめに、赤ちゃんに離乳食を与えるときの姿勢についてご紹介します。離乳食を開始したころは、食材の形状がポタージュ状ですので、赤ちゃんの姿勢を少しだけ後ろに傾けるようにしてください。食材が水分の少ないペースト状になってからは、赤ちゃんの姿勢が少しだけ前かがみの状態で下唇にスプーンを添えると、赤ちゃん自身が上唇で食材を取り込みやすいようです。もちろん、あお向けに寝た状態や歩きながらでは食材を喉に詰まらせたり、気管に入ってしまったりなどの恐れがあるので、危険です。
スプーンを使った離乳食の食べさせ方
①スプーンで離乳食をすくい(あまり山盛りにしない)、赤ちゃんに食べ物が見えるように、正面からスプーンを見せます。
②「おかゆだよ~」「アーン」など話しかけ、赤ちゃんの下唇にスプーンを近づけます。
その時、大人も大きく口を開けて、お手本を見せましょう。
③食べ物を口に運ぶ。
A 口が開かない場合
→スプーンの先を、下唇に軽く触れさせる(ここにスプーンがあるよと知らせる。嫌がる場合は、かえって逆効果になることもあるので、しつこく実施せず、あやしたりし、一呼吸置く)。
B 口が開いた場合
→下唇にスプーンをそっとのせる。
④赤ちゃんの口が閉じるまで待つ。焦らずに待つ。
⑤赤ちゃんの口が閉じたら、スプーンを水平にゆっくり引き抜く。
ポイント1 スプーンを口の中に入れすぎない。
赤ちゃん自身が上唇で食べ物を舌へ取り込むことができないですし、赤ちゃんの口の中は狭く、スプーンが口の中にあたりビックリして嫌がったり、オエッとなったりしてしまいます。
ポイント2 スプーンの持ち手部分を持ち上げ、上唇や上あごに離乳食を擦り付けない。
赤ちゃんは舌がまだ発達していないので、上あごについた食べ物をとることができません。大人でも上あごや上唇に食べ物がへばりつくと、気持ち悪いですよね。
ポイント3 2さじ目は、一呼吸おいてから…
食べる練習をはじめたばかりの赤ちゃんは、大人のようにパクパク食べられません。もっと食べてほしいという気持ちからか、ついつい与えるスピードが速くなってしまわないように注意してください。食べ物が口の中に入っても、すぐ飲み込まずじっとしていたり、一回飲み込む動作をしても、口の中に食べ物が残っていることがあります。ゆったりとしたテンポで離乳食を与えることは、離乳食の段階が進んでいってもずっと意識していきたいところです。
今回、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」や私の経験などをもとに、一般的な例を挙げました。保育士さんによって、やり方が異なることもありますので、よく相談しながら、食材の調理の仕方などを工夫して、離乳食を作ってあげてください。
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