小さな子どもにとってのおやつの役割
みなさんは3時になってお腹がすいたらどうしますか?間食におやつを食べる方も多くいらっしゃるかと思います。甘いもの、しょっぱいもの、最近は、カロリーを気にする人も多いので、満腹感は味わえるけれどもカロリーの低いものなどもでてきました。大人の場合、通常の食事で十分なカロリーが取れるため、おやつは小腹を満たすためのものが一般的です。しかし、幼児にとってのおやつ(補食)は、三度の食事では補いきれない「エネルギー、栄養素、水分の補給の場」※となっています。
保育所における食事の提供ガイドライン(厚生労働省平成24年)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/shokujiguide.pdf
今回は、そんなおやつ(補食)について、みなさんにお話したいと思います。
子どもにおすすめのおやつとは
子どものおやつといえば、ビスケットやクッキーなどのお菓子が思い浮かぶかと思います。これらでも、たしかにおやつとしては十分だと思います。ただ、市販のお菓子の中には、かなり甘いものもあって、幼児にとっては強烈に味覚を刺激し、そればかり食べてしまうこともあるので、習慣にならないよう気を付けてください。
そこで、今回提案したいのは、「おにぎり」です。なぜかと言うと、材料のお米が手に入りやすく、簡単に作れて、日本の農業にも貢献できるからです。もう少し詳しくおすすめの理由を説明すると、ごはんの味はシンプルですので、よく噛んでじっくりと味わうことで薄味になれさせることができます。また、小さな子どもにとって、おにぎりは絵本や歌などにも登場するのでなじみのある食べ物です。それから、エネルギー補給はもちろん、腹持ちがよいため、他の間食がいらなくなります。
決まった時間のおやつはエネルギー補給としていいのですが、だらだら食いには注意が必要です。空腹にならないまま食事の時間になると、食事を食べなかったり、食べたとしても好きなものしか食べなかったりすることがあります。その上、胃が休まらなくなるのでおすすめできません。
シンプルおやつ「おにぎり」のすすめ~3つのシチュエーション~
保育園のおやつに「おにぎり」をおすすめしたいシチュエーションを3つご紹介します。
①月曜日
月曜日は週末にお出かけして遊び疲れが残っていたり、寝不足など生活リズムが乱れていたりする子どもが多い日です。食欲がわかず、昼食を食べられなくなることもありますが、おやつの時間のころには空腹になってくることもあります。そんな時は、やっぱりお菓子よりも主食にもなる「おにぎり」ではないでしょうか。
②一時保育の子どもたち
一時保育の子どもにとっては、たまにしか来ない、または一度きりしか来ない慣れない場所である保育園。そのため、昼食に手を付けないこともしばしばあります。しかし、お腹はすいているようで、おやつに出したおにぎりから食べはじめることが何回もありました。“三時のおにぎり”は早く園生活に慣れるきっかけにもなります。
③新しく入園してくる子どもたちがたくさんいる春から初夏(G.W明け)
家庭の食事は多種多様です。どの月齢でも保育園生活に慣れるきっかけにもなる給食ですが、おやつから食べられるようになる子も多いです。そんな中、たくさんの子どもになじみのあるおにぎりは、おやつにうってつけです。また、3歳未満では、新しいものに慎重となりますので、昼食だけではなくおやつも、3歳未満児と4、5歳児では材料や調理法を変えるなど献立を分け、繰り返し出してみるのもいいかと思います。幼児食として2種類の献立表を作ることで、より月齢にあった細かい対応が可能になります。
おにぎりは、子どもたちにとって強い味方です!栄養面から、何か具材などを混ぜたおにぎりもいいのですが、その具材が苦手な子もいますので、塩むすび(塩なしでもよい)という日もほしいですね。
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