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赤ちゃんの鉄分不足に気を付けましょう

赤ちゃんは、肝臓・脾臓のような臓器や骨髄などに、母体由来の「貯蔵鉄」を十分に蓄えて生まれてきます。しかし、WHOの報告によると、貯蔵鉄は成長とともに消費されるため、生後5、6カ月頃には貯蔵鉄をほぼ使い切ってしまうそうです。これらのことから、厚生労働省では2019年3月に授乳・離乳の支援ガイドを改訂し、「母乳育児の場合、生後6カ月の時点で、ヘモグロビン濃度が低く、鉄欠乏を生じやすいとの報告がある。また、ビタミン D 欠乏の指摘もあることから、母乳育児を行っている場合は、適切な時期に離乳を開始し、鉄やビタミン D の供給源となる食品を積極的に摂取するなど、進行を踏まえてそれらの食品を意識的に取り入れることが重要である。」と記載しました。

そこで今回は、離乳食を始める生後5、6カ月頃の献立に取り入れやすい、鉄分不足が解消できる食材とその利用方法をご紹介します。非ヘム鉄を多く含んだ食材を上手に選定し、食べられる食材や量を徐々に増やしながら鉄分を解消していきましょう。

ヘム鉄と非ヘム鉄について

食品に含まれる鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄があります。ヘム鉄は主に肉や魚などの動物性食品に含まれ、非ヘム鉄は主に野菜や大豆などの植物性食品に含まれています。ヘム鉄は単体で吸収率が高いのですが、離乳食に毎日使える食材が少ないように感じます。

ヘム鉄が多く含まれる食材

単体での吸収率:高い
レバー(牛・豚・鶏)、赤身肉、かつお、まぐろ、ツナ缶(かつお・まぐろ)など。

非ヘム鉄が多く含まれる食材

単体での吸収率:低い
大豆製品(豆腐・納豆・きなこ・豆乳・高野豆腐)、小松菜、ほうれん草、ひじき、切り干し大根、干しブドウ、パセリ、板のり、青のり、焼き麩など。

非ヘム鉄を効率よく吸収できる組み合わせ

非ヘム鉄は、肉類、魚介類、乳製品などに含まれる動物性たんぱく質や野菜、果物、いもなどに含まれるビタミンCと組み合わせることによって、吸収率が高まります。以下の表にその具体的な組み合わせ例を挙げてみます。

①動物性たんぱく質との組み合わせ例

②ビタミンCとの組み合わせ例

※干しぶどうは、油漬けでないものを一度ゆでてやわらかくし、刻むと食べやすい。おやつのときに、果物を付け合わせに使うのもいいですね。

例)おにぎり*+果物
*きなこや青のりをまぶしたり、小さくちぎった板のりをつけたりしたもの

今回ご紹介した食品をうまく組み合わせることで、赤ちゃんの鉄分不足を防ぐことができます。いつも使っている食材の中から、赤ちゃんの月齢に適した食材を上手に取り入れて、鉄分を効率よく補いましょう。

 

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※2017.02.23公開のコラムを一部リライトしました。

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