妊娠中の女性が意識したい魚介類の水銀。やみくもに怖がらず、注意点を確認して賢くおいしく魚料理を楽しみましょう!
妊婦の食事面での魚介類摂取の注意点
いったん魚介類に入り込んだメチル水銀は、加熱しても除去できない特徴があります。魚介類の選び方と摂取量が、メチル水銀による中毒や体内への過剰な蓄積から身を守るポイントとなります。
妊婦の1日あたりの魚の摂取量は、1切れ80gのメカジキならば1週間に1回、マグロやキンメダイでは1回80g(約切り身1切れ)で、1週間に1回のみがよいと呼びかけています。
厚生労働省「妊婦への魚介類の摂取と水銀に関する注意事項」による目安より抜粋
・1回80gとして妊婦は2か月に1回まで:バンドウイルカ
・1回80gとして妊婦は2週間に1回まで:コビレゴンドウ
・1回80gとして妊婦は週に1回まで
:キンメダイ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチ(メバチバグロ)、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラ
・1回80gとして妊婦は週に2回まで
:キンメダイ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチ(メバチバグロ)、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラ
:キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ(インドマグロ)、ヨシキリザメ、イシイルカ
【水銀含有量について比較的安心な魚】広い範囲で回遊する魚
キハダやサンマ、アジ、イワシ、サバ、タイ、ブリ、ビンナガ、メジマグロ(クロマグロの幼魚)
日々のメインディッシュとして、魚料理を食べる場合は水銀含有量が少ない魚を選択しましょう。 ただし、水銀含有量が少ない魚でも、量を多く食べると水銀の総摂取量が多くなるので注意が必要です。
魚と上手に付き合っていきましょう
ここまで妊婦と魚介類の水銀について説明してきましたが、魚介類には良質のたんぱく質をはじめ、生活習慣病予防などに良い影響がある不飽和脂肪酸であるEPAやDHAが含まれています。
メチル水銀の少ない魚種もありますし、科学が進歩しており妊婦の体内水銀蓄積量と子どもの健康の関係についても日々研究発表がなされ、科学的な検証がされています。
妊婦であっても上手に魚を摂取していきたいものですね。
前回はこちら >>妊娠中に注意したい魚介類の水銀①
参考文献
『科学でわかる魚の目利き』成瀬 宇平 ソフトバンククリエイティブ株式会社 2010
『岩波 国語辞典』第5版 株式会社 岩波書店 1995
内閣府 食品安全委員会https://www.fsc.go.jp/sonota/4gou_6.pdf
WHO (日本語に自動翻訳してみてください)http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs361/en/
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