今回は、加工食品の塩分についてお話しします。
前回のコラムはこちらから。
『血圧を上げにくくする食事の工夫(予防のための食事)①』
減塩? 低塩? 加工食品の塩分に注意しましょう
現在の食生活では、加工食品に含まれる食塩量も見逃せません。加工食品の場合は、調理の工夫をするだけでは、食塩量を減らすことは難しくなります。
身近な加工食品に、どのくらいの食塩量が含まれているか知ることから始めてみましょう。
平成27年に施行された食品表示法では、加工食品の包装など、栄養成分表示に『食塩相当量』を記載することを義務づけています。以前は、ナトリウム量が表示されていましたが、消費者が減塩しやすいように、食塩の量で表示するようになりました。
近頃では、あらかじめ「減塩」などをうたっている加工食品も各種出てきています。
無塩・減塩・低塩・塩分ひかえめ・うす塩・うす塩味、うす味など、いろいろな表示がありますが、その表示にはそれぞれ定義があるのをご存知でしょうか。
栄養表示基準
無塩:食品100g(液状100ml)あたり、ナトリウムが5mgに満たないもの
減塩:対象となる製品からのナトリウム低減量が食品100g(液状100ml)あたり、ナトリウムが120㎎以上減少していること
低塩・塩分ひかえめ・うす塩:食品100g(液状100ml)あたり、ナトリウムが120㎎以下であること
ここで気をつけたのは、減塩とうたわれている商品は、もともとの対象商品から相対的にナトリウム量が減少しているということで、イコール低塩ではないということです。
そのため、それぞれの食塩相当量をチェックするとともに、使用の頻度にも気を付けなければなりません。
また、うす塩味・うす味という表示がありますが、これらは味覚に関する表現なので、イコール食塩量が少ないわけではないという点にも注意が必要です。
加工食品と上手に付き合う
近年、食生活は孤食(個食)の時代とも呼ばれていて、一から自分の手で調理をしないことが増えており、加工食品を利用する機会が多くなってきています。
加工食品を手に取った時、栄養成分表示を確認する習慣をつけると、だんだんと塩分量が多い、少ないなどが分かるようになってきます。
同じ食品であれば、「減塩」と書かれたものを選んでみるのも一つの方法ですね。
約半数の方は、自分は血圧が高いと気づいていないとも言われています。こまめに血圧を測る習慣を付けましょう。また、体重の減量、運動量、飲酒量について気になる事柄は、健診時に担当医に相談してみましょう。
また現在医療機関に通われている方は、主治医の指示を仰いでください。
参考文献
・日本高血圧学会 http://www.jpnsh.jp/general_salt.html
・日本人の食事摂取基準2015 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
・『きょうの健康』 2017年9月号 NHK出版 2017
・『ヘルシーダイアリー』 2017 公益社団法人 日本栄養士会
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