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- 病気(症例別)と栄養
- 2021.07.29
小児生活習慣病について
社会環境の変化は、夜型の生活や朝食の欠食傾向にある児童の増加につながり、子どもの発育や発達にも大きな影響を及ぼしています。さらに、生活習慣病の発症も低年齢化が進み、小児期に生活習慣病(小児生活習慣病)を発症するお子さんも増えてきています。
そこで今回は、小児生活習慣病の現状と将来への影響についてまとめました。
小児生活習慣病とは?
はっきりと定められた生活習慣病の定義はありませんが、厚生労働省は1956年から使用されてきた「成人病」という言葉を1996年10月から「生活習慣病」と変更しました。「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義することが適切であると考えられており、インスリン非依存糖尿病や高血圧、高脂血症などが含まれます。これらの病気の共通した背景として肥満があることが多く、肥満は遺伝的な影響だけでなく、その人の生活習慣に根ざしていることが多いことから、こうした病気を一括して生活習慣病と呼ぶようになりました。
小児においても、肥満をはじめとする生活習慣病がみられるようになり、「小児生活習慣病」と呼ばれています。
小児肥満の現状
文部科学省の学校保健統計調査によると、男子・女子共に1977年度以降、肥満傾向児の出現率は増加傾向でした。2000 年以降では、年齢層によりばらつきはあるものの、肥満傾向児の出現率は、おおむね横ばいもしくは増加傾向となっています。
また近年の傾向として、中高生の思春期肥満から成人肥満への移行が多くなり、2型糖尿病や脂質異常症、高血圧の合併症だけでなくメタボリックシンドロームを伴う例も増えてきています。
そのため、成人同様に子供のメタボリックシンドローム対策が必要であり、2007年には厚生労働省によって小児期メタボリックシンドロームの診断基準が発表され、2017年には小児肥満症の診療ガイドラインが作成されました。
将来へのリスク
小児肥満は、成人肥満に移行する可能性が高く、2型糖尿病、脂質異常症、高血圧などの原因となります。また、これらは動脈硬化を促進し、将来的に心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクを高めます。
年齢が低いうちから生活習慣病を発症すると、罹病期間が長くなることから、成人した後に合併症の起こる頻度が高い傾向があります。小児生活習慣病のみならず、成人期に発症する生活習慣病を予防するため、小児期の肥満に対する早期発見・早期治療などの適切な介入を行うことが望まれています。
参考文献
・eヘルスネット、厚生労働省「生活習慣病とは?」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-001.html、(閲覧日:2021年5月26日)
・日本生活習慣病予防協会:「小児生活習慣病」
http://www.seikatsusyukanbyo.com/guide/clrd.php (閲覧日:2021年5月26日)
・富山大学:「小児の生活習慣と健康」
http://www.med.u-toyama.ac.jp/healpro/toyamast/toyamast.html、(閲覧日:2021年5月26日、6月2日)
・日本小児内分泌学会:「子供の肥満」
http://jspe.umin.jp/public/himan.html (閲覧日:2021年5月27日)
・文部科学省学校保健統計調査:「平成26年度調査結果の概要」
https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11293659/www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa05/hoken/kekka/k_detail/1356102.htm、(閲覧日:2021年5月29日)
・文部科学省学校保健統計調査:「令和元年度調査結果の概要」
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa05/hoken/kekka/k_detail/1411711_00003.htm、(閲覧日:2021年5月30日)
・国立成育医療センター「糖尿病等の生活習慣病対策を推進するための方策について
小児期の生活習慣病対策」https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/08/dl/s0803-5d.pdf 、(閲覧日:2021年5月29日)
・日本小児科学会「幼児肥満ガイドについて」
http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=110、(閲覧日:2021年5月30日)
・神奈川県医師会「子どもの肥満と生活習慣病」
http://www.kanagawa.med.or.jp/ibukai/gakkoui/kodomonohiman.pdf、(閲覧日:2021年5月30日)
・「小児肥満症診療ガイドライン2017」のポイント
http://therres.jp/pdf/2TRcontents_201705.pdf、(閲覧日:2021年5月30日)
・日本医師会「健康になる!子どもの健康」
https://www.med.or.jp/forest/health/age/02.html、(閲覧日:2021年5月30日)
・子どもの肥満症Q&A 公益社団法人小児保健協会学校保健委員会
http://plaza.umin.ac.jp/~jschild/com/pdf/20170922.pdf、(閲覧日:2021年6月2日)
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・外出自粛中の食事の工夫 ④糖尿病編
・子どものおやつの考え方・量・選び方について
・File15:フリーランスで働く管理栄養士 鈴木菜美さん
みんなのコメント( 1 )
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- Eatreat 編集部
- 1213日前
イートリスタの鈴木菜美さんが解説する小児生活習慣病シリーズの第1回目です。今回は、小児生活習慣病の現状と将来への影響についてまとめていただきました。
"小児生活習慣病"のバックナンバー
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WRITER
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鈴木 菜美
●糖尿病療養指導士 糖尿病専門クリニックにて一年間で1000人以上の食事相談を受けた経験あり。 患者個々の気持ちに寄り添って行動することで、患者の不安解消、数値改善に貢献することができた。現在もその経験を活かして別の糖尿病専門クリニックにて、勤務。 ●「人と食と笑顔をつむぐ おやつ教室 tsumugi」主宰 だれもが食を学ぶことができたり、食事療法の不安を減らすための場所を作り、一人一人の希望に応えたいという想いから、愛知県の自宅にて、【低糖質のおやつ】【食物繊維が豊富なおやつ】【低カロリー満足おやつ】をテーマにして、簡単に作ることができるおやつを伝えている。今後は料理も伝えていく予定。 ●認知症予防レシピの提供 2017年3月より、株式会社エストコーポレーション様発行 『自宅に届く 脳とれドリル 脳レク』 に認知症予防をテーマにして考えたレシピを連載中。 毎月、認知症予防に有効とされている食材を一つ取り上げて、その食材を使ったレシピを2つ紹介している。 ●その他資格 日本糖尿病療養指導士 ホームヘルパー 医療事務 野菜ソムリエ
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